内在性パーキンソニズム防御物質1-メチル-TIQの合成酵素探索と代謝動態
Project/Area Number |
08670164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 茂 東京大学, 薬学部, 助教授 (60160503)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 1-メチル-TIQ / パーキンソン病防御物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は脳内在性パーキンソン病防御物質候補1MeTIQの合成酵素を探索することである.1MeTIQと類似構造を有しておりヒト脳から発見されている既知化合物としてサルゾリノールが知られているが,本化合物はドーパミンとピルビン酸とが環化縮合して生成すると考えられている.そこでまず1MeTIQ生成も同様の経路で進行するものと仮定し,本反応が酵素関与で進行することをラット脳ホモジネートを用いて確認を行ったところ,1)30分程度まではほぼ直線的に生成が認められた,2)その後生成速度の減少が認められ60分において飽和減少がみられた.3)ホモジネート非存在下及び熱失活処理に於いて生成は全く認められなかった.以上の点から本反応は酵素関与であると考えられた. 次に他の基質としてアセチルCoAを用いて検討を行ったところ上記とほぼ同様の結果が得られた. 更に本酵素を精製する目的でホモジネートをデオキシコール酸ナトリウムにより可溶化しゲル濾過カラムを用いて分離を行った結果,分子量約50KDaに活性が認められた.この部分精製酵素標品を用い至適pHを求めたところpH7.4であった.以上の結果はサルゾリノール合成酵素とは全く異なっており,また植物に認められるイソキノリンアルカロイド生合成酵素群とも異なっていることから、現在までのところ新しいタイプの酵素であると考えており,更なる精製を検討中である。 このように1MeTIQ生合成酵素の性格が明らかになってきたので,ヒト脳の本酵素活性を検討しパーキンソン病態における活性低下を確認することで,本酵素のパーキンソン病における重要性を確立したいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)