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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
アラキドン酸の12位に酸素を添加する12-リポキシゲナーゼは,血管平滑筋の遊走,腫瘍細胞の転移,神経情報伝達,アルドステロン分泌などに関与していることが示されている。これまでヒト血小板およびラット松果体の12-リポキシゲナーゼのcDNAをクローニングし,そのアミノ酸配列から12-リポキシゲナーゼには『血小板型』および『白血球型』の2種類のアイソフォームが存在することを明らかにした。今回この酵素の病態生理機能を明らかにする目的で,酵素のcDNAの発現と精製,抗体の作製とそれを用いた酵素の組織分布に関する基礎的研究を行った。ラットの12-リポキシゲナーゼcDNAを制限酵素で切断し,tacプロモーターを持つ6個のヒスチジン配列の下流に組み込んで発現ベクターを構築した。この発現ベクターで大腸菌を形質転換し,IPTGの添加によって酵素の発現を誘導した。この大腸菌で発現された12-リポキシゲナーゼのアミノ末端には6個のヒスチジンが付加されているので,ニッケルなどの金属イオンをキレートする性質をもっている。この性質を利用して,ニッケル-テトラ酢酸(NTA)アガロースを用いたアフィニティークロマトグラフィーで,12-リポキシゲナーゼ蛋白を均一に精製することができた。精製した酵素蛋白を抗原としてウサギを免疫してポリクローン抗体を調整した。この抗体を用いた免疫組織化学によって,肺胞マクロファージ,膵臓ランゲルハンス島細胞,副腎皮質,一部の神経節細胞に酵素が存在していることが明らかになった。
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