リンパ球性甲状腺炎における甲状腺発癌促進作用の蛋白・遺伝子異常からの解明
Project/Area Number |
08670214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡安 勲 北里大学, 医学部, 教授 (20014342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三枝 信 北里大学, 医学部, 講師 (00265711)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | リンパ球性甲状腺炎 / 甲状腺癌 / アポトーシス / p53蛋白 / 細胞回転 |
Research Abstract |
慢性リンパ球性甲状腺炎を病理組織学的および免疫組織化学的に観察した結果、以下のことが判明した。 1.慢性リンパ球性甲状腺炎では、再生異型を伴った濾胞上皮細胞が高頻度に出現する。 2.慢性リンパ球性甲状腺炎では、in situ nick end labelling (TUNEL)法による濾胞上皮細胞のアポトーシスが亢進しており、更にKi-67免疫染色による細胞増殖が亢進している。また、アポトーシスを抑制するといわれているBcl-2蛋白の発現が低下している。 3.更にリンパ球性甲状腺炎の炎症巣では、p53蛋白の過剰発現を示す濾胞上皮細胞が散在性に認められる。 以上の所見により、慢性リンパ球性甲状腺炎では、自己免疫機序によるリンパ球浸潤のために甲状腺濾胞上皮細胞のアポトーシスが亢進しており、それに伴って、残存濾胞上皮細胞の細胞増殖が亢進していることから、濾胞上皮細胞の細胞回転が亢進している、更にp53蛋白の過剰発現はリンパ球浸潤による、濾胞上皮細胞のDNA傷害によるアポトーシスの誘導あるいはDNA修復機序の発動を意味していることから、発癌の危険因子が高まっていることが示唆される。 今後は自己免疫性炎症-実質細胞のDNA傷害-発癌という機序の可能性を遺伝子レベルから明らかにする必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)