小児固型腫瘍発生の分子機構の解明とその理論を応用した遺伝子診断の開発
Project/Area Number |
08670215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70213486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
菊地 春人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10161423)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 遺伝子診断 / 小児腫瘍 / Ewing肉腫 / キメラ遺伝子 / F1A-F |
Research Abstract |
Ewing/PNET腫瘍群は極めて難治性で,腫瘍発生が少ない思春期に限っては腫瘍死の大部分を占める.従って,本腫瘍の本態の追求および特異的な診断法や治療法の開発は急務である.本研究では本腫瘍群に特異的されている染色体(11:22)の転座から生じる既知および未知のキメラ遺伝子を腫瘍組織およびわれわれが独自に樹立した細胞を含んだ腫瘍細胞株から同定し,それらの腫瘍発生機序との関連を明らかにした. その過程で,EWS遺伝子とE1A-F遺伝子との間に生じる新しいキメラ遺伝子の同定にわれわれは成功した(Biochem.Biophys.Res.Commun.219:608,1996).この新しいキメラ遺伝子に関しても上記の解析をすでに始めている.E1A-F遺伝子は札幌医科大学・藤永博士によりクローニングされ,共同研究によりゲノム構造を含めbreakpointを決定し,dominant negativeタイプのE1A-F遺伝子が腫瘍抑制を生じることができるかまで解析した.われわれはこの新しいキメラ遺伝子を有するEwing肉腫の株化に成功しており,世界的にみても明らかにわれわれが以上の研究を進めることができる現時点で唯一のグループである。 集積したEwing/PNET腫瘍症例について,既知のキメラ遺伝子を高い検出率で同定した.これら遺伝子情報に加えて腫瘍の組織像,治療経過,予後など病態を把握できる全てのデータを保有している.したがって,キメラ遺伝子と病態の関連を直ちに知ることができる.また,in vitroの実験系で腫瘍の分化形質発現(Virchow Archiv,印刷中)とキメラ遺伝子との関連を明らかにしようと試みている点は本腫瘍群の発生母地を決定するためにも重要である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)