DNA修復遺伝子ノックアウトマウスを用いた発癌メカニズムの解析
Project/Area Number |
08670239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中鶴 陽子 東京大学, 医学部, 助手 (00237314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 秀明 東京大学, 医学部, 助教授 (40214142)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ノックアウトマウス / 経胎盤発がん / 肺腫瘍 / 悪性化 / p53遺伝子 |
Research Abstract |
近年、ヒト肺癌の分子遺伝学的検索からp53遺伝子の変異は癌発生の早期に起こっており、癌発生に関し、重要な要因であることが示唆されている。本年度我々はDNA修復関連遺伝子の一つであるp53遺伝子を遺伝子工学の手法によってノックアウトした遺伝子欠損マウスを用い、発癌物質の経胎盤投与による肺腫瘍誘発実験を行った。熊本大学相沢慎一教授らにより作製されたp53遺伝子欠損マウスについてヘテロ接合体(+/-)マウスの交配を行い、妊娠14.5及び16.5日目にエチルニトロソウレアの25mg/kg腹腔内投与を行い、生後32週まで観察を行った。その結果、雌雄共ホモ接合体(-/-)マウスでは脳腫瘍及び胸腺リンパ腫が発生し早期或いは32週前に死亡したため、肺腫瘍の発生率は17%と低率であった。それに対し、ヘテロ接合体(+/-)マウスでは♂82%♀72%の動物に発生し、野性型(+/+)マウスでは♂68%♀83%の動物に発生した。発生した腫瘍の病理組織学的検索からホモ接合体(-/-)マウス全例が悪性腫瘍であったのに対し、ヘテロ接合体(+/-)マウスでは約45%、野性型(+/+)マウスでは約5%の腫瘍が悪性腫瘍に分類された。悪性腫瘍の比率はp53遺伝子の発現量と相関しており、腺腫から腺癌への悪性転換にp53遺伝子の関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)