Project/Area Number |
08670249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 忍 大阪大学, 医学部, 教授 (90151571)
富田 尚裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00252643)
河口 直正 大阪大学, 医学部, 助手 (70224748)
村田 厚夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00200288)
青笹 克之 大阪大学, 医学部, 教授 (30115985)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 癌 / 肝転移 / 接着分子 / 細胞外基質 / インテグリン / 細胞接着 |
Research Abstract |
昨年度、私たちは癌細胞に種々のインテグリンを遺伝子導入することにより、肝転移を起こす場合があることを見いだした。本年度は癌の転移の臓器特異性の点から肝転移と他臓器への転移におけるインテグリン発現の影響を比較、検討した。癌の転移にはPagetが「Seed and Soil Theory」で述べたように、臓器特異性が存在する。臓器特異的な癌の転移がどのようにおこるかということは転移の治療へとつながっていくと考えられるので、その分子機構の解明には興味が集まっている。材料として、私たちが食道癌患者胸水から樹立した株細胞MAGを用いた。これを用いたのは食道癌は最も転移性の高い癌の1つであること、MAGはヌードマウスで腫瘍を形成するのみならず、高い転移性を有することをすでに見いだしているからである。MAGをヌードマウスの脾臓へ注射し直後に摘脾術を行うと肝転移がおこることを予備実験で確認した。また、足蹠への皮下注射、尾静脈への注射によりリンパ節転移、肺転移が同様に引き起こされることも確認した。転移腫瘍巣から細胞培養系に移し、数代経代した細胞を再び注射すると初回よりも速く各転移が観察された。この操作を5回繰り返すことにより、肝高転移株、リンパ節高転移株、肺高転移株細胞をそれぞれ樹立することができた。これらを用いて細胞の増殖速度、細胞外基質に対する接着性、細胞遊走能、マトリゲルへの細胞浸潤能、インテグリン分子の発現を検討した。その結果、肝転移株では母細胞および他の転移株に比して、α2β1、α5β1の発現低下が著明に見られた。また、コラーゲンおよびフィブロネクチンに対する接着性、細胞遊走、細胞浸潤能の増強が観察された。この結果より、インテグリンα2β1およびα5β1の変化が肝転移に重要な影響を及ぼす可能性が示唆された。
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