ブドウ球菌ロイコシジン及びγヘモリジンの血球識別機構の解析
Project/Area Number |
08670298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨田 敏夫 東北大学, 農学部, 助教授 (00126129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 好是 東北大学, 農学部, 教授 (00109175)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / γヘモリジン / ロイコシジン / 二成分細胞崩壊毒素 / Pore形成 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌のロイコシジン及びγヘモリジンは、二成分のタンパク質(ロイコシジンSとF、γヘモリジンHγIとHγII)から成る細胞崩壊毒素である。我々は両毒素の遺伝子を世界に先駆けてクローニングして、異種タンパク質と考えられていたロイコシジンFとγヘモリジンHγIが同一遺伝子産物である事実(F=HγI)を見いだした。本研究では、γヘモリジンの血球崩壊機構を解明するために、両毒素の二成分系が標的細胞の細胞膜において膜孔(membrane pore)複合体を形成する可能性について検討した。(1)大きさの異なる非電解質分子(ポリエチレングリコールまたは中性糖)を血球外液に添加した条件下で、ヒト赤血球に対するγヘモリジンの活性を測定し、γヘモリジンがヒト赤血球膜に内径約2.5nmの膜孔を形成する可能性を示した。(2)電子顕微鏡を使用した研究により、γヘモリジンは赤血球の膜表面に内径約7nm外径約3nmのリング状構造体を形成する事実を明らかにした。(3)ヒト赤血球に結合したγヘモリジンを界面活性剤で可溶化後にWestern Immunoblotした結果から、γヘモリジンの二成分は赤血球膜において約200kDaの複合体を形成する可能性が示された。以上の結果から、ブドウ球菌のγヘモリジンは赤血球膜で約200kDaの大きさの複合体を形成し、この毒素複合体が約2.5nmの膜孔を形成して細胞膜内外の浸透圧平衡を崩して溶血を起こすと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)