HTLV-I感染T細胞で高発現しているp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の解析
Project/Area Number |
08670355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
赤城 剛 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 室長 (90184077)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | HTLV-I / Tax1 / Cell cvcle / Cdk / Cyclin / p21^<Waf1 / Cip1 / SdiI> / p53 / 細胞不死化 |
Research Abstract |
HTLV-I感染T細胞株はcdk inhibitorのp21^<Waf1/Cip1/SdiI>を高レベルで発現していながら細胞増殖を維持することができる。この増殖メカニズムの解明を最終目的として、以下のような検討を行った。 (1)p21^<Waf1/Cip1/SdiI>の発現誘導に伴って細胞周期停止が引き起こされるHL-60の分化誘導系とHTLV-I感染T細胞との比較を行った。実際には、分化誘導後のHL-60(TPA10ng/ml処理24hr後)とMT-2との間で、p21^<Waf1/Cip1/SdiI>,Cdc2,Cdk2,Cdk4,Cdk5,Cdk6,Cyclin A,Cyclin B,Cyclin E各タンパクの発現量を比較した。両者の間でp21Waf1/Cip1/SdiI,Cdc2,Cdk2,Cdk4,Cdk5,Cyclin A,Cyclin B,Cyclin Eの量には大差なかったが、Cdk6のみは、HL-60では分化に伴い有意に低下し、MT-2よりかなり低いレベルになっていた。このCdk6の違いが何らかの意味を持つ事が示唆されたが、タンパク量の変化のみでなくkinase活性の変化を見るなど、さらなる検討が必要であると思われる。 (2)HTLV-Iのトランスアクティベータ-であるTax1がp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の細胞周期進行停止活性をダイレクトに打ち消している可能性を検討する目的で、p21^<Waf1/Cip1/SdiI>の発現ベクターとTax1の発現ベクターをNIH3T3細胞、およびMOLT-4細胞にco-transfectionしてコロニー形成能の変化を見た。p21^<Waf1/Cip1/SdiI>の導入によりコロニー形成は約1/10に低下したが、これはTax1を共発現させても変化せず、またコロニーを形成した細胞中でのp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の発現レベルもTax1の有無で違いがなかった。このことより、Tax1がp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の細胞周期進行停止活性をダイレクトに打ち消している可能性は低いものと考えられた。 (3)HTLV-I感染T細胞株およびTax1のみで不死化したT細胞で観察されるp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の高レベル発現へのp53の関与の可能性を検討した。HTLV-I感染T細胞株およびTax1不死化T細胞は野生型p53を正常T細胞と比較して高いレベルで発現していたが、そのトランスアクティベーション機能には著しい低下が認められ、p53の発現上昇がそのままp21^<Waf1/Cip1/SdiI>の高レベル発現の原因になっているとは考えにくいと思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)