骨粗鬆症予知法開発のための分子遺伝学的手法を用いた検討
Project/Area Number |
08670420
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Public health/Health science
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 保健管理センター, 助教授 (10210337)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / ビタミンD受容体遺伝子 / 遺伝子多型 / エストロゲン受容体遺伝子 / 生活習慣 / 骨密度 / カルシウム |
Research Abstract |
1.骨密度に対する生活習慣とビタミンD受容体遺伝子多型との関連 1)VDR遺伝子多型と骨密度:健康な女性115名の骨密度はVDR遺伝子多型と有意な関係を示した。両測定ともに対立遺伝子Bのホモ接合体の骨密度が対立遺伝子bのホモ接合体の骨密度より低く、ヘテロ接合体はその中間の値であった。2)骨密度に対する重回帰分析:身体所見、生活習慣、栄養、運動に関する項目のうち、骨密度と相関係数が有意に高かった変数を独立変数、骨密度を従属変数とする重回帰分析の最適のモデルによる重回帰方程式は次のようになった。骨密度=0.685-0.014×(閉経後年数)+0.104×(VDR遺伝子allelebの数)+0.023×(食品群摂取頻度得点)。3)VDR遺伝子多型別の食品群摂取頻度得点と骨密度:各VDR遺伝子型における食品群摂取頻度得点はBB、Bb、bbそれぞれ8.0±2.6、9.0±2.7、8.8±1.1と有為差は認められなかったが、bb群においてのみ食品群摂取頻度得点と骨密度は正の相関を示した(r=0.481、n=42、p=0.0013)。 2.エストロゲン受容体遺伝子多型と骨密度との関連 1)ESR遺伝子多型:PvuIIおよびXbaIの制限酵素部位を有する対立遺伝子をそれぞれp、xとし、有さない対立遺伝子をP、Xとすると、その遺伝子型の頻度はPvrII遺伝子多型はPP、Pp、ppそれぞれ15.0%、52.3%、32.7%となり、XbaI遺伝子型はXX、Xx、xxそれぞれ2.8%、39.3%、57.9%となった。また、PvuIIとXbaI遺伝子多型は強く連鎖していた。2)ESR遺伝子多型と骨密度の関連:PvuII遺伝子多型は有意差はないもののPPの骨密度が高値で、Pp、ppの順に骨密度が低くなっていった。また、ビタミンD受容体遺伝子多型や体重、年齢などで調整した骨密度では有為にその関連を認めた。XbaIではXXが他の遺伝子型に比べて骨密度が高く、ANOVAで有意差を示した。さらに、ハプロタイプではPPXX型が他の遺伝子型に比べて有意に骨密度が高くなっていた。 結論:ビタミンD受容体遺伝子型の内、bb型の人は他の遺伝子型に比べて、牛乳などカルシウムを多く含む食品の摂取に対して、骨密度を上げる反応が高かった。これは、ビタミンD受容体遺伝子がカルシウム摂取と骨密度との関係になんらかの関与をしていることを示唆するものである。エストロゲン受容体遺伝子多型はPvuII、XbaIともに、骨密度と関連があり、ビタミンD遺伝子多型とともに骨粗鬆症の危険因子の遺伝子マーカーとなりうることを示唆した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)