Project/Area Number |
08670434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
須那 滋 香川医科大学, 医学部, 助手 (40253265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 恵子 香川医科大学, 医学部, 助手 (60263894)
真鍋 芳樹 香川医科大学, 医学部, 講師 (40181812)
武田 則明 香川医科大学, 医学部, 講師 (40274279)
實成 文彦 香川医科大学, 医学部, 教授 (60127561)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 血中揮発性物質測定法 / 耳朶血 / ヘッドスペース法 / ベンゼン / トルエン / キシレン / テトラクロルエチレン |
Research Abstract |
われわれは、採取が容易で被験者への負担が比較的少ないと思われる耳朶血により各種揮発性有機溶剤の曝露モニタリングを行うことを目的とし、新たに開発した微量血液使用のシリンジヘッドスペース-GC法の確立と分析の高感度化および微量血液試料の保存性について検討を行った。 1.分析法の検討 添加血液(血液に等量の標準水溶液を添加)を用いてベンゼン(Bz)では10〜600μg/l、トルエン(Tol)、o-、m-、p-キシレン(Xy)では各100〜600μg/lの濃度の範囲で検討を行ったが、いずれも添加濃度とGCピーク面積の間に良好な直線性を示し、定量値の再現精度は、内部標準法(クロロホルム)で変動係数2〜3%と良好であった。またGCピーク面積法による各検出限界は2〜3μg/lと高感度であった。以上、今回検討したBz、Tol、Xyの血中濃度の範囲は、産業衛生学会許容濃度前後の曝露に対応していると思われるが、この血中濃度の範囲において良好な分析精度が得られることが判った。なお、テトラクロロエチレン等塩素系有機溶剤については、現在ECDによる高感度分析を検討中であるが、1ppb以下のオーダーの血中濃度でも十分測定が可能であることが判っている。これらの結果より、われわれの検討した方法は簡便性、感度、精度ともに優れており、産業現場における曝露モニタリングや小動物実験などに十分利用しうる方法と考えられた。 2.血液試料の保存性についての検討 微量血中Bz、Tol、Xyの保存方法について検討した結果では、保存バイアル中の微量血液試料に生理食塩液を重層後凍結保存するという簡単な操作でBz、Tolは1週間程度、p-、o-Xyでは3日間程度、ほとんど損失なく保存できることが判った。この結果、曝露者の微量血液試料を現場より検査所に持ち帰り分析に供することが可能となり、専門の検査機関による血中有機溶剤測定の実用化が期待された。 以上の結果から、本研究により血中揮発性有機溶剤濃度測定の汎用性を高めることができたと考える。
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