細胞間接着弛緩による肝再生開始機構の解明-ヘパリン結合性FGF様増殖因子遺伝子発現機構の検討
Project/Area Number |
08670583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木曽 真一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
福田 和人 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
松田 幸彦 大阪大学, 医学部, 助手 (90283770)
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 肝再生 / HB-EGF / 細胞間接着 / 抗カドヘリン抗体 / 類洞内皮細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
HB-EGFは強力な肝細胞増殖促進作用を有し、部分肝切除後の残存肝において他の増殖因子と異なりDNA合成に先立ち発現することから、肝再生早期に重要な役割を果たしていることを報告してきた。肝再生の分子機構を考える上で、その開始機構を明らかにする必要がある。肝切除後や肝壊死後には肝内細胞間の接着が弛緩することが知られておりこの細胞間接着の弛緩が肝再生開始の契機となり得るかをHB-EGF遺伝子発現に着目し検討した。 まず、肝組織内でのHB-EGF産生細胞を同定するため70%肝切除後の残存肝をコラ-ゲナーゼ肝内潅流後、エリトリエーターにて各細胞を分画後ノーザン法にてHB-EGF遺伝子発現を検討した。その結果、類洞内皮細胞とクッパー細胞において肝切除後HB-EGF遺伝子発現の上昇を認め、これらの細胞が肝内における主なHB-EGFの産生細胞であることが明らかになった。そこで肝内におけるHB-EGFの産生細胞の1つである類洞内皮細胞のモデルとしてヒト臍帯静脈内皮細胞を用い、その単層培養系に抗カドヘリン抗体を添加し、HB-EGF遺伝子の発現を検討した。抗体の添加により細胞間接着の弛緩が観察され、抗体添加後2時間でHB-EGF遺伝子発現の著明な上昇を認めた。現在、マウス門脈に抗カドヘリン抗体を投与し、in vivoにおけるHB-EGF遺伝子発現の誘導と肝細胞増殖に関し検討中である。 今回の検討により細胞間接着の弛緩によりHB-EGF遺伝子発現が誘導されることが明らかになり、これらのイベントが肝再生開始の契機となり得ることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)