IL-7トランスジェニック/p53ノックアウトマウスにおける大腸癌発癌機構
Project/Area Number |
08670639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
渡辺 憲明 社団法人北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (80167155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 守 慶応がんセンター, 診療部長 (10175127)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 慢性大腸炎 / 大腸癌 / IL-7 / トランスジェニックマウス / p53 / differential display / mRNA |
Research Abstract |
今回の研究は大腸癌の特徴である大腸の慢性炎症を母地とする発癌機序を解明する目的で、慢性大腸炎を起こし得るIL-7トランスジェニックマウスの癌抑制遺伝子p53をknockoutすることにより、IL-7トランスジェニック/p53knockout mouseを作成し,大腸癌発症の有無を検討するとともに、分子生物学的手法を用いて本マウスの癌抑制遺伝子異常を解析することにより発癌機構を追究するものである。本年度の研究では、IL-7トランスジェニックマウスにおいて潰瘍性大腸炎類似の慢性大腸炎を自然発症することを見出し、更に大腸上皮由来IL-7の大腸癌細胞増殖機構の存在を初めて報告し、IL-7が大腸の炎症のみならず、発癌にも関与している可能性のあることを見出した。現在、癌抑制遺伝子p53をknockoutしたトランスジェニックマウスのコロニーの樹立を試みている。更に、大腸癌を発症したヒト潰瘍性大腸炎患者の正常粘膜、炎症部位および癌組織におけるmRNA発現をdifferential displayにより比較することにより潰瘍性大腸炎の発癌に関与する新たな遺伝子の発見と機序の解明を目指してきた。正常部粘膜、炎症部、および癌組織からRNAを抽出し、Differential display法により目的とするDNA断片のmRNAの発現に差が認められるかを確認した。現在までに60本の発現の異なるmRNAのcDNA fragmentを単離しこのうち34本のサブクローニングを行い部分sequenceを決定した。homology検索の結果BRCA2遺伝子あるいはserine-threonine kinas、tyrosine kinaseと相同性の高いものが存在した。またprotein tyrosine phosphataseとほぼ100%塩基配列の一致するものが発癌部位で高発現していることが証明されている。得られた部分塩基配列をprobeにヒト胎児肝cDNAライブラリーをスクリーニングしcDNA全長を得るとともに、癌部において強発現していた遺伝子については大腸癌細胞株における発現を確認するとともにそのアンチセンスRNAをアデノウィルスベクターでtransfectし癌細胞における役割を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)