PAF受容体トランスジェニックマウスを用いた気管支喘息発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
08670653
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 英一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40282628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 孝志 東京大学, 医学部・(医), 助手 (70232361)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Keywords | 血小板活性化因子 / PAF受容体 / トランスジェニックマウス / 気管支喘息 |
Research Abstract |
PAF(platelet-activating factor)は、気管支喘息発症メカニズムにおける重要な起因物質と想定されている。我々はPAF受容体遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウス(PAF receptor overexpression transgenic mouse,以下PAFR-Tgマウス)の作成に成功し、PAFR-Tgマウスを用いて、PAFの気管支喘息発症への関与を検討した。 〈PAFR-Ta及びコントロールマウスの作成〉 PAFR-Tgマウスを交配させ得られたマウスを生後3週目にゲノム解析し、PAFR-Tgマウスか否かを判別した。PAFR-Tgマウスのlitter mateで、PAF受容体遺伝子発現が正常であるものをコントロールとして実験に使用した。 〈PAFR-Tgにおける気道収縮動態の解析〉 PAFR-Tgマウス及びコントロールマウスに、PAFをiv投与し生理学的指標を比較検討したところ、PAFR-Tgマウスのみにおいて、著明な気道収縮を認めた。また両群にメサコリン(MCh)の吸入投与を行い、PAF受容体遺伝子過剰発現と気道過敏性との関係について検討したところ、PAFR-Tgマウスにおいて気道過敏性亢進を認めた。このPAFR-TgマウスにおけるPAFまたはMCh誘発性気道収縮は、ロイコトリエンD4及びトロンボキサン阻害薬の前処置投与により、有意に抑制された。 〈PAFR-Tgマウスにおける受容体分布〉 PAFR-Tgマウスにおいて、気道、心筋、大血管系に著明なPAF受容体遺伝子過剰発現を認めた。(EMBO J 16:133-142、1997) PAFR-Tgマウスは、気管支喘息の動物モデルとなり得る可能性があり、本研究の成果は、気管支喘息発症の病態解明に寄与をなすものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)