プロトンポンプ阻害剤による抗酸菌貧食マクロファージ内pHの変化と薬剤の効果
Project/Area Number |
08670660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久世 文幸 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄作 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (30183461)
鈴木 克洋 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (00206468)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ヒト肺胞マクロファージ / 抗酸菌 / プロトンポンプ阻害剤 |
Research Abstract |
抗酸菌を貧食したヒト肺胞マクロファージ(PAM)のphagosome内pHをプロトンポンプ阻害剤であるomeprazole(OPZ)投与により高め、PMA内抗酸菌増殖に与える影響をin vitroで検討した。また中性域でより強い効果を発揮するクラリスロマイシン(CAM)の抗酸菌に対する抗菌作用へのOPZ併用の影響も検討した。PAM内で増殖しているMycobacterium avium complex(MAC)と結核菌に対する2μg/mlの濃度のCAMとOPZ投与の影響の結果をまとめると以下のようになる。 1)CAMはMACを殺菌するが、結核菌には増殖抑制程度の作用しかない。 2)OPZはMACのPAM内増殖には影響を与えなかったが、結核菌の増殖を軽度促進した。 3)OPZの存在はMACに対するCAMの殺菌作用を著しく阻害したが、結核菌に対するCAMの増殖抑制作用は軽度増強した。 以上の結果より、CAMとOPZの結核菌に対する共同作用の研究が有益と考え、さらに実験を継続した。種々の量のOPZ存在下でのPAM内結核菌の増殖を検討すると、0.2μg/mlのOPZを至適濃度とする有意な増殖促進作用がみられた。一方2μg/mlのCAMの共存下では、0.2μg/mlのOPZを至適濃度とするCAM単独と比べて有意な増殖抑制効果が認められた。以上の結果は結核菌貧食時PAMのphagosome内pHがMAC貧食時と比べて相対的に低いこと、そのためOPZでphagosome内pHを上昇させる事で結核菌の増殖自体は促進されたが、一方CAMとの併用ではその作用を有意に増強した可能性を示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)