神経成長因子(NGF)による免疫応答調節機構の解析
Project/Area Number |
08670735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
上田 裕司 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 講師 (00223470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永渕 裕子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (80278001)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 神経成長因子 / 神経細胞 / 免疫系細胞 / アポトーシス / Tリンパ球 / インターフェロンγ |
Research Abstract |
主に末梢神経細胞の成長因子の一つである神経成長因子(nerve growth factor;NGF)は、種々のニューロンの生存維持や神経突起の伸長などを促進するという神経細胞に対する作用のみならず、ある種の免疫担当細胞に作用して増殖促進やIgG4サブクラスの抗体産生を増強するなど、免疫系に対しても重要なサイトカインとして機能している。さらに免疫系細胞から産生されるIL-4やIL-5などのサイトカインは神経系のアストロサイトが産生するNGF産生を増強する。このように、神経系と免疫系の間には相互の作用しあうクロストークが存在していると考えられる。今回我々はヒトTリンパ球系細胞株においてNGF mRNAの発現を認めた。すなわち、神経系における主要な成長因子であるNGFを免疫担当細胞が直接産生することで、神経細胞機能を調節している可能性を見出した。そこで免疫系細胞の産生するNGFやその他のサイトカインが神経細胞機能、中でも神経細胞のアポトーシスに対してどのような影響を与えるのかを検討した。実験にはヒト神経芽細胞腫由来細胞株であるIMR-32とNB-1を用いた。その結果、成長因子除去による神経細胞のアポトーシスと一酸化窒素による神経細胞のアポトーシスの両者を、Tリンパ球が産生するサイトカインであるNGFとインターフェロン-γ-IFN-γ)が濃度依存性に抑制することを見出した。この成績は、神経細胞死あるいは神経細胞に対する障害を免疫系細胞が調節し、抑制しうることを示している。今後、NGFやIFN-γによる神経細胞アポトーシスの抑制機序を解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)