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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.実験的高血圧モデル動物における腎間質圧調節の異常の解明.低食塩食下にあり血圧が正常のDahl食塩感受性ラットにおいては,食塩負荷した際のナトリウム利尿は,Dahl非食塩感受性ラットに比べ低下している.このナトリウム利尿の低下に,腎間質圧の上昇低下が重要であることを明らかにした. 2.直細動脈の収縮調節の解明.一酸化窒素(NO)合成阻害薬が,腎間質圧を低下させ,圧ナトリウム利尿を著明に低下することを明らかにした.これにより,直細動脈の収縮調節に,NOが重要な役割を果たし,NOが腎灌流圧上昇による腎間質圧上昇を促進し,圧ナトリウム利尿を亢進させることを明らかにした. 3.降圧薬の腎間質圧と圧ナトリウム利尿に対する効果.NO合成阻害が,圧ナトリウム利尿を著明に低下させることから,長期のNO合成阻害が,高血圧を発症させるか,また,この高血圧がアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)とカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)によりどのように降圧されるかを検討した.長期NO合成阻害は,著明な高血圧と臓器障害をもたらした.ACE阻害薬は,高血圧と臓器障害を完全に阻止した.Ca拮抗薬の降圧と臓器保護作用は,ACE阻害薬よりも弱かった. 4.腎間質圧が近位尿細管ナトリウム再吸収を抑制する機序の解明.バゾプレッシンV2受容体拮抗薬により腎髄質の浸透圧勾配を低下させた状態での圧Na利尿を観察した。その結果,腎臓灌流圧上昇による腎髄質の浸透圧勾配の洗い出しは圧ナトリウム利尿の制御に関与せず,腎間質圧の上昇が圧ナトリウム利尿を引き起こすことを明らかにした.現在,抗Na,K-ATPase抗体による免疫組織染色により,腎間質圧が,尿細管Na,K-ATPaseの動態にどうのように関与するか検討中である.
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