重症心不全に伴う肺水腫に発現するアポトーシスとその意義-促進因子と抑制因子およびそれらの遺伝子の検討-
Project/Area Number |
08670777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神原 健治郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (20177778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
鷹津 久登 岐阜大学, 医学部, 助手 (20187975)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | アポトーシス / うっ血性心不全 / Bcl-2 / 免疫組織 / 血行動態型肺水腫 / 灌流肺 |
Research Abstract |
1、背景:アポトーシスは種々の疾患の病態と関連し、多彩な機能を有していることが予測される。肺動脈内皮細胞は、アポトーシスを誘導する液性因子{腫瘍壊死因子(TNF-α)、エンドトキシン(LPS)など}の標的細胞となる。従って、重症心不全に伴う血行動態型肺水腫の形成過程にも肺微小血管内皮細胞にアポトーシスが誘導され、重症心不全の予後に影響している可能性がある。 2、目的:血行動態型肺水腫の形成過程で、肺微小血管内皮細胞にアポトーシスが発現するか否かを明らかにするとともに、その抑制因子、促進因子およびそれらの遺伝子の発現を検討することである。 3、方法:定流量・自家血灌流家兎肺を作成し、左房圧を0、10または20mmHgで4時間灌流した。電顕、in situ nick end-labeling (TUNEL)、DNA電気泳動でアポトーシスの、免疫組織染色でBcl-2(アポトーシス抑制因子)の発現を検討した。湿・乾燥重量比で肺水腫の程度を比較した。 4、結果:左房圧、肺水腫形成速度および肺水分量の増加とともに、TUNELが肺胞中隔の間葉系有核細胞に高率に発現し、Bcl-2が肺微小血管内皮細胞に高率に発現した。重篤な肺水腫例では、電顕で毛細血管内皮細胞の核クロマチン濃縮像を、DNA電気泳動で180bpのladder形成を認めた。 5、総括:(1)急性血行動態型肺水腫の形成期に、血行力学的侵襲によって肺微小血管内皮細胞のアポトーシスが発現する。(2)肺微小血管内皮細胞のアポトーシスは、重症心不全に伴う肺水腫の予後または/および肺水腫回復後の肺胞毛細血管障壁の再構築に関与するかも知れない。(3)急性血行動態型肺水腫の形成期に発現するBcl-2は、肺微小血管内皮細胞傷害を防御している可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)