StAR遺伝子の構造と機能に関する研究-リポイド過形成症での分子遺伝学的研究-
Project/Area Number |
08670843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤枝 憲二 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60173407)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | リポイド過形成症 / StAR遺伝子 / 副腎 / コレステロール移送 |
Research Abstract |
リポイド副腎過形成症(以下、Lipoid CAH)は副腎および性腺での全てのステロイドホルモンの合成障害により、生後早期から重篤な副腎不全症状を呈し、さらに、染色体構成に関わらず外性器は助成型を呈する疾患である。本症は比較的日本人に多く発症し、先天性副腎過形成症の約2-3%をしめる。近年、Lipoid CAHの原因遺伝子としてSteroidogenic Acute Regulatory Protein(以下、StAR)遺伝子がクローニングされた。 今回我々は、Lipoid CAHと診断された日本人症例においてStAR遺伝子の解析を施行した。対象は、Lipoid CAHと臨床的に診断された24症例で46, XYが13例、46, XXが11例である。方法は、末梢静脈血よりgenomicDNAを抽出し、7個のexonよりなるStAR遺伝子のExon領域を挟むプライマーを作製し、PCR-direct sequence法により塩基配列を決定した。 同定された変異は189delG, 246insG, 564del13bp, E169K, G212X, 838delA, A218V, M225T, Q258Xであり、このうちQ258Xの変異が約80%の患者に認められた。これら変異についてpregnenolone産生能について発現実験を行い、M225Tの変異以外のいずれの変異も正常型StARcDNAをtransfectionした場合に比べpregnenolone産生量は低下を示した。M225T変異は40%程度の活性を有し、臨床症状の程度と一致を示した。 今回の結果により、StAR遺伝子の異常がLipoid CAHの原因であることを確認した。さらに、Exon 7 codon 258のNonsense mutationは、日本人のLipoid CAHのHot spotであり、今後、日本人の同疾患のscreeningに有用であることを示した。さらに本症の症状に異質性があることも明らかにした。また従来、Lipoid CAHは副腎酵素欠損症の一疾患と分類されていたが、StAR遺伝子異常が確認されたことから、本疾患はコレステロール供給系の異常に基づく疾患であり、副腎における酵素疾患の分類からはずれることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)