SCIDマウスを用いた血球貧食症候群モデルの作製とそれを用いた病態の解明
Project/Area Number |
08670882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷池 雅子 大阪大学, 医学部, 助手 (30263289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 佳子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大杉 夕子 大阪大学, 医学部, 助手 (40273669)
原 純一 大阪大学, 医学部, 助手 (00238156)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 血球貧食症候群 / Familial Hemophagocytic lymphohistiocytosis / NOD / SCID |
Research Abstract |
当研究は血球貧食症候群の高度な中枢神経病変の機構を解明するためにマウスモデルを作成することを目的に開始された。 1.方法及び結果 まず、NK活性を低下させたNOD/SCIDマウスに血球貧食症候群であるFamilial Hemophagocytic lymphohistiocytosisの2症例の骨髄・末梢血を静注・髄注したが約2カ月の観察期間で臨床症状上変化を認めていない。類似の良性組織球症であるLangerhans cell histiocytosis患者の骨髄の移植でも同様に確実な生着が得られていない。 そこで、生着がより容易であると考えられる白血病細胞の移植を試みた。まず、monosomy 7 leukemia細胞のCB17-SCIDへの移植を試み、(a)ヒト臍帯血を予め移植したものを5匹、(b)前処置の無いもの13匹を検討し、(a)で2匹、(b)で4匹の病理の検討を行った。フローサイトメトリーでは検討した6例全例に骨髄への生着が確認できたが、(a)と(b)では生着細胞数、生着臓器に差は認められなかった。全身臓器では肝3/6、脾5/6に浸潤を認めた他、脳に4/6、脊髄に2/6等、CNS浸潤が高度に認められた。神経病理的にはCNS浸潤は髄膜浸潤が主で、一部髄膜下脳実質にも白血病細胞の浸潤を認めた。脱髄、ニューロン死などの随伴する神経病理は認めなかった。神経病理を認めたマウス全部に弛緩性後肢マヒや振戦などの神経症状を認めた。次に、juvenile chronic myelocytic leukemia患者の白血病細胞を4匹のCB17-SCIDに移植し、その内2匹を病理学的に評価した結果、脾臓への浸潤は顕著であるがCNS浸潤は認めなかった。 3.今後の方針 白血病細胞のCNS浸潤の病態発生を主としてl-selectin等の接着因子の面から解明すると同時に、組織球症細胞の生着を可能にするように条件決めをしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)