Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
1.我が国でのSmith-Lemli-Opitz(SLO)症候群の発症数を把握するため疫学調査を行い,以下の結果を得た。 (1)全国554の小児科学会研修指定病院に対しアンケート調査を行い,419施設(75.6%)の回答を得た。 (2)23施設で7-DHC測定による確定診断例1例,臨床診断例24例,疑診例18例の計43例が集計できた。43例中生存34例,死亡8例,不明1例だった。 2.分光光度計を用いた血液中の7-dehydrocholesterol(7-DHC)測定法を確立した。 (1)臨床診断例および疑診例の14例で7-DHC測定を行ったが,7-DHC高値を示した例はなかった。 (2)血清・全血・赤血球・株化リンパ球・羊水・線維芽細胞の7-DHC測定法を確立した。 (3)アンケート以外に寄せられた疑診例の37例について7-DHC測定を行ったが,7-DHC高値を示す例はなかった。 (4)確定診断例の患者の末梢血リンパ球および皮膚センイ芽細胞の株化を行い液体窒素中に保存した。 以上の結果より,SLO症候群の臨床診断のむずかしさが判明した。SLO症候群には遺伝的異質性がある可能性があるが,現時点では確定診断のためには臨床所見に加え,7-DHC測定が必要であると考えられる。今後,症例数を増やすことにより,SLO症候群の病態を明らかにする予定である。
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