Project/Area Number |
08670966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 憲一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80159045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 隆夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (40179718)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 皮膚 / 血管内皮細胞 / 無血清培地 / 分化 / 血管新 / 細胞下基質 / メタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
血管新生が生体のホメオスタシスに重要な現象であり、それに関与する主たる細胞が血管内皮細胞(EC)であることは衆知である。しかし、血管新生過程をより詳細に観察すれば、そこにはECの遊走、増殖、分化という事象が複雑に絡み合い、また血管の大きさによるECの相違性を考慮するならば、血管新生にはまだまだ多くの不明な点が残されている。筆者らは、これらの事情を踏まえ、皮膚微小ECの分化とは何かに特に興味を持ち、先ずマウス皮膚由来培養EC株F-2を樹立した。これは正常ECの機能を多く保有していることを示した。更に今回その亜株F-2C樹立にも成功し、これが特別な人為的因子群の添加なしに自発的に分化しネットワーク状の管腔構造を誘導する、全く新しい血管新生研究インビトロモデル系提供株であることを報告した。この分化誘導には、EC下基質(SEM)としての基底膜構造の形成メタロプロテアーゼ群の活性化が関与していることを示した。また、この分化には血清のある種の因子(群)が抑制的に作用することも合わせて示し、その分子量が10万KD前後であることも判明し現在それを同定中である。 一方、培養系ECの分化には2種類の形態があり、一つが上記した基底膜上で形成されるネットワーク構造であるがもう一方はI型ゴラ-ゲン上あるいは内で形成される管腔構造であり、これもネットワーク構築を示すが、この場合には、初期に一次元EC細胞シート上に先ずネットワーク構造を誘導し、最終的に細胞シートを伴わない同様構造を完成させることが知られている。我々が今回確立したF-2Cによる血管新生モデル系においても、細胞増殖期に1型コラーゲン処理をほどこすこと。同様の細胞シート上の構築を誘導した。更に5型コラーゲン処理においてもまったく同じ変化を示した。また、この管腔は基底膜上の管腔とは異なり、内部にコラーゲン繊維を充満させており、基底膜上で完成される管腔が中空であることを対比された。しかし経時的に観察すると、コラーゲン処理誘導のネットワークも基底膜上のそれに変化した。また、この構造の変化は有血清時において抑制された。これらの事実はこれまで独立に議論され、互いの関連が不明であったこれら2種類の培養系でのECの分化/管腔形成は、実は互いに関連するものであり、その関連を制御する重要な因子群の一つにECと血清との動的な関係が示唆された。
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