トポイソメラーゼI阻害剤による放射線効果増強のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
08671021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹井 啓資 京都大学, 医学研究科, 講師 (20225858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 夏生 京都大学, 医学研究科, 助手 (70281095)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | p53 / トポイソメラーゼI阻害剤 / CPT-11 / SN-38 / コメットアッセイ |
Research Abstract |
細胞におけるP53ステ-タスの放射線とトポイソメラーゼI阻害剤CPT-11の活性代謝産物SN-38との併用効果に対する影響について検討した。細胞はp53ノックアウトマウス由来線維芽細胞およびこれにwild type p53導入した細胞を用いた。対数増殖期の細胞を200nMのSN-38に照射前30分、照射中および照射後2時間暴露し、その後コロニー法で生存細胞数を求め、薬剤溶解液(DMSO)のみを暴露したものと比較検討した。p53ノックアウトマウス由来の線維芽細胞ではSN38および放射線の併用効果はわずかしか認められなかったが、wild type p53を導入した細胞では著明な併用効果が認められ、p53のステ-タスが併用効果に影響することが分かった。次にComet Assay法を用いて個々の細胞のDNA障害の程度を求めた。放射線照射後の上記の細胞をアガロースゲル内に包埋後細胞を溶解し電気泳動した。障害を受けたDNAが泳動され、一方未障害のDNAは泳動されないためDNAを蛍光色素で発色させるとあたかも彗星のような形態が個々の細胞に対応して観察された。SN38と放射線の併用症例では彗星の尾部モーメントが明らかに増大し、DNAの障害が増加していることが明らかになった。これは、微小核形成試験を用いて得られた染色体レベルの障害の増加を支持するデータである。 動物実験は、昨年度の研究でin vitro試験でCPT-11と放射線の併用効果が僅かに認められたマウス可植EMT6腫瘍を用いin vivo-in vitroコロニー形成試験を用いて行った。しかし、1回投与(40mg/kg)1回照射(10-20Gy)、および3回投与(40mg/kg X 3回)3回照射(6Gy X 3回)いずれの場合にも明らかな併用効果が認められなかった。 結論 1)SN-38による放射線増感効果はwild type p53を有する細胞で認められるが、wild type p53を有さない細胞では僅かであった。2)SN38の放射線増感効果はDNAの障害の増加が原因と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)