慢性頭部衝撃による細胞骨格蛋白の異常リン酸化と神経変性機序に関する研究-アルツハイマー病の危険因子としての機械的軸索障害の検討-
Project/Area Number |
08671085
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Psychiatric science
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 教授 (00179649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 喬 大阪大学, 医学部, 助手 (10273632)
谷口 典男 大阪大学, 医学部, 助手 (30263255)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | アルツハイマー病 / 頭部外傷 / 細胞骨格蛋白 / タウ蛋白 / ニューロフィラメント / MAP2 |
Research Abstract |
我々は頭部に定量的な機械的衝撃を負荷するためにfluid percussion装置を用いて実験を開始した。まず、軽度衝撃の特徴と強度をあきらかにするために、軽度衝撃と重度衝撃の単回衝撃についての比較検討を行い、重度衝撃(4.3atom)では神経細胞脱落を認めたが、軽度衝撃においてはHSP72の発現のみで神経細胞の脱落を認めなかった。したがって、神経細胞の脱落を起こさず急性期蛋白の発現を惹起する衝撃(1.0atom)を軽度衝撃として反復負荷実験を行った。 行動評価においては動物を新たな環境においたときの運動量を評価した。軽度衝撃を4回繰り返した後の運動量は、衝撃間隔が4日から1日へと短くなるにつれて増加しており、OUCEM84による運動量の経時的解析からこれは探索行動が抑制されないことによるものと考えられた。 神経病理学的検討においては、対照脳においては神経細胞樹状突起に局在するMAP2は軽度衝撃7回後の脳組織では神経細胞体にも局在した。同様の実験でニューロフィラメント(NF)は神経細胞体内に蓄積し、対照脳においては軸索に局在するリン酸化NFは細胞体内および樹状突起にも局在した。さらに細胞体内にはリン酸化タウ蛋白の集積も観察された。 以上のような軽微な頭部衝撃の繰り返しにより惹起される細胞骨格蛋白の異常は、アルツハイマー病の病理過程と共通する部分があり、神経細胞の変性機序の解明に有用であることは示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)