Project/Area Number |
08671157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 誠 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部, 助手 (80252667)
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | CD36 / スカベンジャー受容体 / 泡沫細胞 / 粥状動脈硬化 / 酸化LDL |
Research Abstract |
動脈硬化の初期病巣に於いては、末梢血単球由来のマクロファージ(Mφ)が血漿リポ蛋白由来の脂質を蓄積して生じた泡沫細胞が集蔟する。Mφの泡沫細胞化の機序として、低比重リポ蛋白(LDL)が内皮下で酸化されて酸化LDL(OxLDL)となり、Mφにより取り込まれ、泡沫化を惹起すると考えられる。その変性LDLの受容体の一つはアセチルLDL受容体であるが、コラーゲンやトロンボスポンジンの受容体と従来考えられてきたCD36が、OxLDLの結合にも関与するとの成績がEndemanらにより最近報告された。私共はCD36欠損症の症例を発見し、その種々の遺伝子異常を解明してきた。また、CD36欠損症症例の単球MφではOxLDLの取り込み及び分解が約50%低下しており、さらにOxLDLとMφを培養した際コレステロールエステルの蓄積が対照に比べて低いこと、ヒトの大動脈の粥状動脈巣で特に内膜のMφにCD36が強く発現することも我々は見出した。従って、CD36はOxLDLの受容体として重要であり、動脈硬化形成過程に関与することが推察される。 そこで、本研究ではCD36の発現に影響する諸因子の同定を試み、さらに、CD36の発現を抑制することによりMφの泡沫化が抑制されるか否かについて検討した。我々はヒト単球由来Mφの培養液にOxLDLを添加すると、CD36の発現がOxLDLの濃度依存性に亢進すること、interferone γによりCD36発現が抑制されることもin vitroで確認した。CD36に対するモノクローナル抗体(OKM5)を用いてOxLDLのCD36への結合を阻害することにより、OxLDLのMφ細胞内への取り込みは有意に抑制された。さらに、今回の研究で培養ヒト大動脈平滑筋細胞においてもCD36が発現することを新たに見出したが、この培養系においてもCD36に対するモノクローナル抗体ならびにCD36へ共有結合する薬物(SSO)はコレステロール蓄積を抑制した。本研究を基盤に、今後CD36を介したMφの泡沫化を防御する薬物をスクリーニングし、動脈硬化の治療法の開発を行う予定である。
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