T細胞の癌化に伴って発現誘導される細胞膜蛋白の構造と機能
Project/Area Number |
08671227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 利行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70243102)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | T細胞 / 癌 / ATL / OX40 / gp34 / Integrinβ7 |
Research Abstract |
ヒトのT細胞腫瘍を対象にして、癌化に伴って新たに出現したり、発現が増強する細胞膜抗原の解析を行った。ATL由来細胞細胞株を免疫原に用いて、一部のATL由来またはHTLV-IでトランスフォームしたT細胞株に発現するが、正常末梢血単核球(PBMC)には殆ど発現しない抗原を認識するモノクローナル抗体を数種類樹立した。これらの抗体が認識する抗原分子を同定するために、ATL由来T細胞株のcDNAライブラリーを作製し、COS-7細胞での一過性発現系とこれらの抗体を用いた免疫選択法にて遺伝子クローニングを行った。その結果、4つの抗体が認識する細胞膜蛋白をコードするcDNAの単離に成功した。両端からの部分的塩基配列の解析から、このうちの2つは活性化したCD4+T細胞に発現することが知られているOX40および腸管リンパ組織へのリンパ球のホ-ミングに関与することが報告されたβ7 integrinと同一であること、他の2つのものは既知のものでないことが判明した。OX40に関してはこれを認識する抗体が一部のHTLV-I感染T細胞株と血管内皮細胞との接着を阻害したことに基づいて細胞接着の観点から解析を進め、OX40のリガンドであるgp34が血管内皮細胞に発現していてOX40/gp34系が活性化T細胞と内皮細胞との接着を直接媒介することを明らかにした。integrinβ7に関してはATL細胞の消化管浸潤への関与について検討することを計画している。また、他の未知の細胞膜分子に関しては、クローニングに用いた抗体がいずれもIgMであったためIgG抗体を取り直すなどして、構造と機能を解析する準備を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)