Project/Area Number |
08671312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
の村 信介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20198625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐渡 義一 重井医学研究所, 免疫部門, 室長
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アルポート症候群 / 基底膜 / IV型コラーゲンα鎖 / 遺伝性腎炎 / 突然変異 / モノクローナル抗体 / 免疫組織学的研究 |
Research Abstract |
平成8年度の科学研究費による研究成果の中で、特に報告するべきことは、Alport症候群におけるIV型コラーゲンα5鎖遺伝子(COL4A5)の突然変異の種類と、免疫組織学的に検討したIV型コラーゲンα鎖の腎基底膜での分布異常との関連性を確認したことである。 Alport症候群におけるCOL4A5の突然変異は、大きく分けると、1)範囲の広い遺伝子欠失や挿入など、2)一塩基から数塩基程度の規模の小さな遺伝子欠失や挿入、そして、3)一塩基置換である。さらにこの一塩基置換は、IV型コラーゲンα鎖の球状ドメインにおけるアミノ酸置換と、同コラーゲンのコラーゲンドメインにおけるアミノ酸置換に大別できる。今回は、2)と3)の小さなサイズの遺伝子変異との関連性を検討した。 その結果、A)一塩基から数塩基程度の規模の小さな遺伝子欠失や挿入によって、翻訳されるIV型コラーゲンα5鎖の構造が正常と著しく異なると予想されるAlport症候群患者の場合、腎基底膜にIV型コラーゲンα5鎖はまったく存在しない、B)一方、コラーゲンドメインのglycine残基の置換という翻訳されるIV型コラーゲンα5鎖の構造変化が軽微と予想されるAlport症候群患者の場合、腎基底膜にIV型コラーゲンα5鎖が、一部から完全に残存することが判明した。これらの結果は、アルポート症候群の遺伝子診断の実用化にむけてひとつの重要な発見であったとともに、構造蛋白による遺伝性疾患における遺伝子治療は、正常な遺伝子の導入だけでなく、病的な構造を残存させる可能性のある遺伝子変異を抑制する必要があることを示した。 研究代表者の川崎医科大学腎臓内科の堅村信介らによる突然変異の検索と、研究分担者である重井医学研究所の佐渡義一らによるモノクローナル抗体の作成と免疫組織学的解析とが、協調して得られた成果と考えられる。
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