敗血症時のエンドトキシンによる肝障害とその発生にアポートシスのはたす役割
Project/Area Number |
08671366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 俊朗 大阪大学, 医学部, 助手 (40263264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | エンドトキシン / 敗血症 / 肝障害 / アポトーシス / ビリルビン / プロテアーゼ |
Research Abstract |
平成8年度研究成果 敗血症のモデルとしてエンドトキシン(LPS)のラットへの経静脈的投与モデルを用い、血清中肝逸脱酵素やビリルビン値、TUNEL陽性肝細胞数、肝臓の免疫染色並びに電子顕微鏡、細胞死に関連する蛋白分解酵素の活性化を測定し、LPSによる肝細胞のアポートシスの誘導機構と敗血症に果たす役割を解析し以下の知見を得た。 1.LPSを投与すると投与後8時間目を最高に肝小葉全体に散在性のTUNEL陽性肝細胞を認めた。血清中肝逸脱酵素やビリルビン値も同様の傾向を示し、両者はLPS量に対し容量依存性を示た。電顕では、核クロマチンが凝縮し細胞質は縮小化しており、アポートシス小体を認め、クッパー細胞に呑食されている像も多数観察された。 2.リソゾームの代表的酵素であるカテプシンB、L(Bは肝細胞、Lはクッパー細胞)を共焦点レーザー顕微鏡を用い免疫組織学的に、又、Western Blotting法にて生化学的に測定すると、何れのカテプシン活性も投与後6〜8時間を最高に、それぞれ肝細胞とクッパー細胞で上昇していた。 3.クッパー細胞の活性化の阻害剤-ガドリニウムを前投与するとTUNEL陽性肝細胞数や肝組織並びに血清の変化はLPS非投与群と同様の変化を示した。 4.細胞死の際の細胞質プロテアーゼの活性化をICE、Nedd-2、CPP32-like protease activity(CPP)の活性化で測定すると、CPP活性のみがTUNEL陽性肝細胞数に一致しLPS投与後上昇していた。CPP活性の上昇はガドリニウム前処置にてほぼ完全に抑制された。活性化クッパー細胞より分泌されるTNFαの投与により肝細胞にCPP活性が上昇しアポートシスを生じた。 以上の結果より、エンドトキシンはクッパー細胞より分泌されるTNFαを介して肝細胞にアポートシスを誘導し、敗血症時の肝障害の要因となりうることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)