消化器癌肝転移の分子機構の解明と新しい治療戦略の開発
Project/Area Number |
08671438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
門田 一宣 (門田 一宜) 京大, 医学(系)研究科, 助手 (40273453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有井 滋樹 京都大学, 医学研究科, 講師 (50151171)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 消化器癌 / 肝転移 / 血管新生因子 / 細胞外マトリックス分解酵素 |
Research Abstract |
肝転移の成立には多くの分子が関与していることが推察されるが、我々は血管新生因子VEGF、細胞外マトリックス分解酵素MMP(とくに基底膜分解に重要とされるMMP-2、MMP-9、MMP-2を活性化すると考えられるMT-MMP-1)細胞運動に関与するRhoに着目し、以下の臨床的、実験的研究を行っている。 I.臨床的研究.大腸癌症例67例(有肝転移15例)の原発巣切除標本より上記遺伝子のmRNA発現をノザンブロットで解析し、s26rpにて補正し、癌部/非癌部の比で定量化した。癌が進行するに従いいづれの遺伝子もその発現は増強した。肝転移例ではVEGF、MMP-2、MMP-2、MT-MMP-1のmRNAは原発巣において有意な高発現を示した。これらの知見は癌が進行するに伴い、血管新生能、細胞外マトリックス分解能、運動能の形質を獲得すること、そして上記遺伝子と肝転移との関連性を示唆するものである。とくに、VEGF、MMP-9、MT-MMP-1の遺伝子発現の解析より肝転移高危険群を設定することが可能と考えられ、現在、prospective studyを施行している。さらに、肝転移巣のmRNA発現、免疫組織染色の結果は、癌細胞の形質発現が原発巣と肝転移巣で異なり、転移臓器の環境要因によっても想定されること、そして癌と癌周囲の間質細胞の相互関係で転移が形成することを示唆する知見を得ている。 II.実験的研究.主として肝転移防止に関する研究を行っている。ヌードマウスを用いてヒト癌細胞の脾注肝転移モデルを作成。血管新生阻害剤(TNP470)と我々と三共製薬で共同開発中のMMP阻害剤R94138の肝転移抑制効果を検討した。その結果、有効性が期待されるデータを得つつある。 現在、アデノウイルス、HVJリポソームをベクターとする遺伝子治療の研究を開始している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)