近赤外分光法を用いた中枢神経系虚血の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
08671512
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Thoracic surgery
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
軸屋 智昭 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20231368)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 近赤外分光法 / 脳虚血 / 脊髄虚血 / 循環停止 / 酸素飽和度 / ウサギ |
Research Abstract |
「近赤外光を用いた中枢神経虚血の定量評価に関する研究」のテーマに従い以下の研究を遂行した.♯1<胸部大血管手術時,完全循環停止下の脳組織酸素消費動態を近赤外光を用いて計測し脳組織の温度と酸素消費速度の関係を検討する.>;胸部,特に弓部大血管手術時には,人工心肺併用による人工循環と低体温下の循環停止法が頻用されている.この低温下循環停止に注目しそのときの脳組織中の酸化,還元型ヘモグロビン濃度の変化速度を近赤外光により計測し,この変化速度を脳組織酸素消費速度とみなし温度別にデータを収集し検討した.yを酸素消費速度,xを鼓膜温(脳組織温)とした場合,y=0.00087e^<0.105x>の指数関数にてよく近似され,従来報告されている侵襲的計測法のによる結果と差は認められなかった. ♯2<ウサギ脊髄虚血モデルを作成し近赤外分光法を適用し脊髄の酸素消費動態を観測する.>; NewZealand White種のウサギを静脈麻酔後気管切開し人工呼吸器管理とし開腹,腎動脈下腹部大動脈遮断にて脊髄虚血モデルを作成した.同モデルの第5腰椎レベルで脊髄を挟むように近赤外分光法プローブを装着し虚血時の酸素消費動態を観察した.動脈遮断直後から酸化・還元型ヘモグロビン濃度は急激に減少・増加し2から3分で平衡状態に達した.遮断前の100%O_2・N_2負荷による0-100%酸素飽和度計測から,遮断後の脊髄組織内ヘモグロビン酸素飽和度は約19%で一定となるものと考えられた.遮断解除後,酸化・還元型ヘモグロビン濃度は増加・減少し約5分で平衡に達したが前値には復さなかった.以上の実験から近赤外分光法は中枢神経系虚血の評価に際し,簡便かつ鋭敏な方法である事が判明した.
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)