虚血脳における神経栄養因子の果たす役割について(脳高次機能および神経再生の面より)
Project/Area Number |
08671587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
久門 良明 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80127894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 英俊 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50263926)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 脳虚血 / 神経栄養因子 / 脳高次機能 / 神経再生 / 視床 |
Research Abstract |
大脳皮質梗塞により逆行性変性をきたす虚血側視床において,再生軸索の形態学的マーカーであるgrowth-associated protein(GAP)-43の発現を観察するとともに,神経栄養因子の一つであるciliary neurotrophic factor (CNTF)投与による影響について検討した. 雄の280-320g体重のSpontaneously Hypertensive Rat (stroke Prone)を用いて,ハロセン吸入麻酔下に左中大脳動脈末梢部を凝固切離し,体性感覚領野を中心とした大脳皮質梗塞巣を作成した.(1)虚血後12時間目,1・2・3・5・7日目,1・2・3ヵ月目に脳を潅流固定した後,摘出した.45μmの冠状断切片を作成し,抗GAP-43抗体(Sigma)を用いて免疫組織染色して光顕的にGAP-43の発現を観察した.(2)虚血後5日目に同様の方法にて,GAP-43の発現を視床とともに脳幹でも観察した.(3)虚血直後より,CNTFを浸透圧ポンプ(Alzet)を用いて脳室内に5日間持続投与(1.5μg/day)した後,同様の方法にて視床におけるGAP-43の発現を観察し,vehicle投与群と比較した. その結果,(1)虚血側の視床ventroposterior核では虚血後3・5日目をピークに,GAP-43陽性の索状・螺旋状の軸索が多数認められた.(2)虚血後5日目の脳では,三叉神経脊髄路核および内側毛帯等の知覚連絡路がGAP-43陽性であり,患側視床でのGAP-43陽性軸索は,これら視床に投射する第二次感覚ニューロン由来であった.(3)CNTF脳室内投与群では,vehicle投与群に比べて,虚血側視床におけるGAP-43陽性を示す軸索の発現が軽減された. したがって,大脳皮質梗塞により逆行性変性をきたす患側視床において,三叉神経脊髄路核などの視床に投射する第二次感覚ニューロンに再生機序が生じている可能性が示唆された.またCNTF脳室内投与による視床での再生機序の減少は,CNTFによる視床ニューロンの逆行性変性の軽減によるものと考えられた.
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Report
(1 results)
Research Products
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