Project/Area Number |
08671602
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80191899)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | ヒト悪性脳腫瘍 / シグナル伝達 / 腫瘍再発 / 放射線壊死 / 増殖シグナル / 増殖因子 / イノシトールリン脂質代謝 / アポトーシス |
Research Abstract |
ヒト悪性脳腫瘍のシグナル伝達画像による増殖能評価の新たな可能性を追求するために、高LET治療、とくに中性子捕捉療法(BNCT)後の症例を対象として下記の項目を検討した。 1)シグナル伝達活性度による腫瘍再発(recurrence)と放射線反応性組織(radiation necrosis)との鑑別。 2)両者の混在は増殖因子を介する関連性を有する現象なのか。 結果1)悪性脳腫瘍に対する熱中性子捕捉治療を行った5名の長期経過観察中の患者でアミノ酸の取り込み(^<18>F-BPA)の集積を示す症例があったが、シグナル伝達画像(^<11>C-DAG)は低値を示した。同症例に対し、従来の鑑別手段である^<18>F-fluoro-2-deoxyglucose (^<18>FDG)を行ったが、結果は低値を示した。^<11>C-DAGと^<18>FDGではほぼ同一の傾向を示した。しかし^<18>FDGでは陰性画像であったにもかかわらず再発例を認めた。^<11>C-DAGの陰性例では再発はなかった。^<18>F-BPAを用いたアミノ酸画像はアミノ酸輸送系に依存し、直接増殖能を反映しないため乖離が生じたものと思われた。すなわちシグナル伝達を把握することで正確な増殖活性を評価し得た。 結果2) Radiation necrosisによく再発を伴うことは増殖因子を介した両者の関連性を示唆するため、数種の増殖因子を用いてジアシルグリセロールの再利用を調べた。増殖因子により急激なイノシトールリン脂質回転の変化が認められた。これは放射線障害が誘導する反応性細胞が過剰な増殖因子を分泌すれば再増殖につながる可能性が十分にある事を示唆した。さらにラットを用い、10Gy照射後にイノシトールリン脂質代謝を測定した結果、照射6時間後に活性が上昇し持続した。一方、アポトーシスを誘導するスフィンゴミエリン代謝の上昇も認めたが、一過性であった。以上より様々な情報伝達系があるがイノシトールリン脂質回転を介する増殖因子による再発誘導の可能性が考えられた。
|