頭蓋内原発悪性リンパ腫の予後改善のための臨床病理学的研究
Project/Area Number |
08671619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
久保 長生 東京女子医科大学, 医学部・脳神経外科, 助教授 (10075690)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | Brain tumor / Malignant Lymphoma / CD44 / Pathology / Radiology |
Research Abstract |
頭蓋内原発性悪性リンパ腫は形態学的に神経系以外のリンパ腫と同様であり、大部分はB-cell NON-Hodgkin's Lymphomaである。好発年齢は50才から70才であり、比較的高齢で男子に多い傾向がある。発生部位に関しては多発例が見られること、脳室周辺に多い等が挙げられる。当科では42例の悪性リンパ腫を経験しているが、1年生存率は53%、5年生存率は30%と極めて予後不良である。その予後因子は充分に検索されておらず、我々の組織学的検索では腫瘍組織内のastrocytesの有無ではその浸潤度が充分に反映されず、予後因子とはなり得なかった。悪性リンパ腫の国際分類等の亜型はその予後に関係するとの報告があるが、我々の検索では有意差はない、しかし、細胞増殖の指標であるMIB-1やPCNA陽性率はその予後に有意差を認めた。頭蓋内悪性リンパ腫の臨床像、画像診断では脳室周辺に発生が多く、再発時には多発性に播種される。免疫組織学的検索による浸潤増殖能ではMIB-1陽性率は30%以上であり、極めて増殖能の高い腫瘍である。更に11例の摘出標本を用いて、CD44の染色性と浸潤増殖能について検索した。CD44は細胞の認識と細胞接着に関係するといわれており、頭蓋内悪性リンパ腫における検索はすくない。今回の検索では悪性リンパ腫においては全ての症例に陽性であるが、症例により差が見られた。血管周辺の腫瘍細胞は強く染色されたが、リンパ球は染色されなかった。また腫瘍周辺の脳組織は強く染色され、これが浸潤様式に影響を及ぼすことが示唆された。 これらの研究結果から頭蓋内悪性リンパ腫は診断早期に積極的な集学的治療が望まれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)