Project/Area Number |
08671670
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 稔 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (80206276)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 前十字靱帯 / 内側側副靱帯 / 部分断裂 / 線維芽細胞増殖因子 / 修復過程 |
Research Abstract |
実験1:雄Wister系ラットの左膝内側側副靱帯と右膝前十字靱帯とに幅1mm、深さ1mmの損傷部を作成し、その修復過程を肉眼的・組織学的に検討した。まず内側側副靱帯への損傷は1週後までは明確に確認できるが、2週後には線維性組織で満たされて判別困難となり、4週後にはほぼ完全に修復されていた。これらの組織では修復過程早期の3日後、1週後にbFGF mRNAが損傷部を充填した線維芽細胞に強く見られた。抗bFGF抗体による染色性は、1週後に最も強く見られた。一方前十字靱帯損傷は、その捻れの複雑さから、組織学的に欠損部を明らかな間隙として捉えることは困難であったが、線維の走行性の乱れが見られ、肉眼的にも損傷部は8週後まで確認できた。2週後の5匹中1匹、4週後の5匹中2匹、8週後の5匹中1匹には、大腿骨付着部近傍に滑膜の増生を認めたが、欠損部を充填するには至らなかった。内因性のbFGFは、増生した滑膜に染色性とmRNAの発現が認められるが、靱帯組織にはいずれも認められなかった。これらの所見は、我々が当初予想した如く、内側側副靱帯と比較し前十字靱帯の自己修復能力が著しく低いことを裏付ける結果であった。 実験2:成熟日本白色家兎の右膝前十字靱帯に幅1mm、深さ1mmの損傷部を作成し、外因性のbFGFがその修復過程を促進できるか否かを、生理食塩水投与群を対照として検討した。肉眼的には1週後より、bFGF投与群では大腿骨付着部からの滑膜増生が旺盛となり、1週後で5羽中2羽、2週後で5羽中3羽、4週後で5羽中2羽は靱帯損傷部を被覆していた。4週後の5羽中2羽、8週後の5羽中3羽では、靱帯損傷部が確認できなかった。対照群では損傷部が滑膜で被覆されたものはなく、いずれも損傷部を確認できた。現在これらの組織標本を作成中であり、今後bFGF投与による影響を組織・細胞レベルで明らかにする予定である。
|