Research Abstract |
[目的]マスタードオイルに対する反応はC-線維による軸索反射を現わすといわれているので,帯状疱疹の急性期と皮疹が治癒した後にも疼痛が残存していた患者におけるマスタードオイルに対する反応を比較検討した。[対象と方法]帯状疱疹の急性期にマスタードオイルに対する反応を検索したのは14例(軽症5例,中等症5例,重症4例),皮疹が治癒した後にマスタードオイルに対する反応を検索したのでは10例であった.グリセリンに溶解した5%マスタートオイルを直径10mmの濾紙に浸し,その濾紙を帯状疱疹を発症した部位と対称的な部位に付着させ,10分後に紅斑を測定した。紅斑の長径と短径の平均値を紅斑の値とし,健側と患側の比率を求め,帯状疱疹発症急性期と皮疹が治癒した患者で比較した。[結果]帯状疱疹発症急性期では,5%のマスタードオイルに対する反応は健側に比べ患側での明かな低下は認められなかった。しかし,皮疹が治癒しても疼痛を有していた症例では健側に比べ患側では100%以下の反応を示していた症例が多かった。[結論]帯状疱疹の多くの患者では急性期においてもマスタードオイルに対する反応は障害されないが,皮疹が治癒した後でも痛風が残存している症例ではマスタードオイルに対する反応の障害があるといえる.
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