ヒト陰茎の勃起における細胞内情報伝達系の解析-特にNO-_cGMP系のメカニズムについて-
Project/Area Number |
08671836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
萬谷 嘉明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20146062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 勃起メカニズム / 陰茎海綿体 / 細胞内カルシウム / 血管構築 / NOS陽性神経 |
Research Abstract |
(1)PGP陽性神経は陰茎深動脈、ラセン動脈および動静脈吻合の周囲ならびに陰茎海綿体内小柱と白膜下疎性結合組織内の小血管に密に分布していた。 (2)伝達物質についてみると、NOS陽性神経はラセン動脈、動静脈吻合の周囲および陰茎海綿体内小柱に分布していたが、特に陰茎海綿体内小柱内に多かった。VIP陽性神経はPGP陽性神経の分布に類似していた。NPY陽性神経は陰茎深動脈と陰茎海綿体内小柱に多く分布していた。CGRP陽性神経は陰茎海綿体内小柱と白膜下疎性結合組織内に多く分布していた。 (3)コラゲナーゼ消化法によりラット、イヌおよびウサギ陰茎海綿体の分離標本作製を試みたが、海綿体内の平滑筋量が少なく解析に必要な標本が作製できなかった(予備実験)。 (4)同時に行ったラットの前立腺では容易に十分量の平滑筋細胞を持った標本が作製でき、ノルアドレナリンとATPに対して平滑筋が反応してCaイオンが持続的に上昇し、α1拮抗剤でその上昇が抑制されることが顕微測光画像解析システムにより確認できた(予備実験)。 (5)ヒトおよびウマ陰茎海綿体では平滑筋量が多く解析に必要な標本が作製できたが、試料採取から標本作製までの時間が長かったためか顕微測光画像解析システムによる解析はできなかった。すなわち採取24時間後、12時間後、8時間後および6時間後の試料から作製した標本では、細胞内のCaイオンの濃度変化は生じなかった。そのため少なくとも4時間以内に標本作製を終了する必要があると思われた。また、さらに各種伝達物質の分布の違いを考慮した標本を作製するためにはコラゲナーゼ消化法ではなく、ビブラトームにより薄くスライスした生標本を用いるのが適当と思われた。 (6)なお、同時にウマ陰茎の血管鋳型を作製し走査電顕で観察したが、ウマ陰茎海綿体の微細血管構築はヒトに類似しており、ラット、イヌおよびウサギのそれとは明らかに異なっていた。これは陰茎骨の有無や海綿体平滑筋量に関係があると思われた。入手し難いヒト標本に代わりウマ標本を利用することが考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)