聴覚系内スペクトルの補償に基づくディジタル補聴アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
08671948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20143034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 賢司 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30204192)
川瀬 哲明 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50169728)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 聴覚系内スペクトル / 補聴アルゴリズム / 音色 / 興奮パターン |
Research Abstract |
本研究では,音の聴覚系内スペクトル表現である興奮パターンの時間・周波数2次元特性を補償することにより,入力音の音色を補償することが可能な,新しいディジタル補償アルゴリズムについて検討を行った. まず,聴神経の興奮パターンを推定するために必要な聴神経の応答特性に対応する,聴覚フィルタの特性を測定するためのシステムを構築した.このシステムでは,帯域阻止雑音中に提示される純音の最小可聴値を,阻止帯域の幅および中心周波数を変えながら測定した結果を基に,逆問題を解いて聴覚フィルタの周波数特性を導出する.これまでに,健聴者24人について測定を行い,健聴者データベースを作成した.これにより,ある音が入力された場合に,健聴者の聴覚系内に生ずる平均的な興奮パターンを推定することが可能となった.一方,難聴者の聴覚フィルタは,個人差が大きいことが知られている.このシステムを難聴者に適用することにより,難聴者個々の興奮パターンが推定することができる.その興奮パターンと健聴者の平均的な興奮パターンの間の写像関係を,補聴周波数特性として考えることが可能である. 以上のアルゴリズムでは、定常音に対しては補償が可能であるが,変動音については補償することはできない.この問題を解決するための基礎として,変動音の興奮パターンと音色との対応関係を検討した.種々のAM音(振幅変調音)に対する音色類似度を,健聴者8人について聴取実験により測定した.その実験結果と,上記の健聴者の聴覚フィルタから得られた興奮パターンとを比較したところ,興奮パターンは時間包絡の変化を強調するように形成されていることが明らかとなった.今後は,難聴者についても同様な測定を行って興奮パターンの時間変動を推定し,健聴者のパターンとの写像関係を考えることで,時間軸方向の特性までを補償するアルゴリズムを与える予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)