Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では老化に伴う免疫学的特性,特に宿主の免疫調節機構において中心的役割を果たすと考えられるT細胞の老化に伴う免疫学的特性を明らかにすることを目的に,老化のモデル動物実験系の一つである老化促進マウスの脾臓T細胞を用いて,自己リンパ球混合培養反応(AMLR)の変動について検討した.また種々のT細胞のサブセットとAMLRとの関連性についても検討した.以下に,集積された結果を列記した. 1.促進老化を示すSAM-PマウスではAMLRの反応性が変動していることが明らかとなった.すなわち,対照のSAM-Rマウスでは最大のAMLR値が培養3日目に認められたのに対し,SAM-Pマウスでは培養培養1日目で最大値を示した.このAMLRの反応性の変動は,若齢のSAM-Pマウスにおいては認められず,また,SAM-Rマウスやハプロタイプの異なるBALB/cマウスにおいても24カ月齢のマウスにおいては認められることから,マウスT細胞の老化にともなう一つの現象であることが強く示唆された. 2.T細胞サブセットの検索からは,AMLRの主たる反応細胞と考えられるCD4^+CD45RB^<hi>T細胞率が,SAM-PマウスおよびSAM-Rマウスとも最大のAMLR値と有意の正の相関を示すことが明らかとなった.さらに,促進老化を示すを示すSAM-Pマウスにおいては胸腺外分化T細胞率が上昇していることが明らかとなったことから,老化にともないCD4^+CD45RB^<hi>T細胞が自己非T細胞上のMHCクラスII抗原を認識・反応した後の二次的な反応細胞として胸腺外分化T細胞が作用している可能性が示唆された. 3.促進老化を示すSAM-PマウスT細胞でのサイトカインmRNAの発現に関しては,IL-2mRNAの発現が低下していることが示唆されたものの,今回調べたかぎりにおいては対照のSAM-Rマウスと比較して著明な変動は観察されなかった.
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