歯周病原細菌代謝産物による歯肉線維芽細胞の増殖及びアポトーシスの制御機構
Project/Area Number |
08672169
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
落合 智子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20130594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 邦康 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50095444)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | アポトーシス / 線維芽細胞 / 歯周病原細菌 / サイトカイン / 酪酸 |
Research Abstract |
1、ヒト歯肉線維芽細胞(Gin1及び臨床分離株F-41G)を、低濃度酪酸(0.5mM)と共に培養したところ、生存率が著しく増加した。また、上清中のサイトカイン産生量を測定したところ、IL-1α,IL-1β,TNFα及びTGFβの産生は認められなかったが、多量のIL-6及びIL-8の産生が認められた。 また,IL-11の産生も認められた。 2、Gin-1及びF41-Gは高濃度酪酸(5mM)添加により生存率が低下し、断片化率の測定から培養48時間以降にアポトーシスを誘導した。 3、低濃度酪酸と共に培養したGin-1及びF41-Gは、コントロール群と同様の細胞周期像を示したが、高濃度酪酸と共に培養した細胞群では、G1期での細胞周期の停止が誘導された。 4、高濃度酪酸と共に培養したGin-1及びF41-Gは培養初期(4h)においては、Fas抗原及びbcl-2蛋白の変動を認めなかったが、培養後期(16h)においてはFas及びbcl-2の発現が増加した。p-53の発現はいずれの培養期間中も認められなかった。低濃度酪酸存在下においては培養初期にFas及びbcl-2の僅かな発現増加を認めたが、p-53の発現はいずれの培養期間中の認められなかった。 以上の結果から、低濃度酪酸は線維芽細胞に対し培養初期にbcl-2蛋白の発現を誘導することによりアポトーシスを回避し、その結果、IL-6,IL-8及びIL-11の産生を伴う増殖促進を促すことが判明した。一方、高濃度酪酸はG1期での細胞周期の停止を伴うアポトーシスを誘導するが、その初期要因としてFasやp53の関与は少ないものと思われる。しかしながら、培養後期でのFasの増加は酪酸誘導アポトーシスに、少なからずもFas/FasL系の関与があることを示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)