Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
光硬化型グラスアイオノマーセメントの象牙質接着性を向上するためには,象牙質面とセメントに加えられたレンジ成分とのマイクロメカニカルな接着方式を取り入れた接着が必要があるという考えのもとにプライマーを開発した(基盤A 課題番号08557107)。開発されたプライマーは,コンディショナ-(酸液)の機能としてのスミア-層の除去とプライマーとしての機能としての象牙質面の改質を行うものである。新しいプライマーを含めた種々の接着補助を用い光硬化型グラスアイオノマーセメントの剪断接着強さと象牙質接合界面のSEM観察を行ない接着界面の解明を目的とした。供試した光硬化型グラスアイオノマーセメントは,フジIILC(GC)とビトレマ-(3M)を選択した。プライマーは、新開発プライマーと製品添付の前処理材を使用した。被験歯としては、ウシの下顎前歯あるいはヒトの第三大臼歯を使用した。象牙質接着性試験は,試片製作後,24時間37℃精製水中に保管しインストロン万能試験器(を用いてその剪断接着強さの測定した。SEM観察は,従来型走査電子顕微鏡,環境型電子顕微鏡によって観察した。 その結果,光硬化型グラスアイオノマーセメントに接着性モノマーを含有する新開発プライマーを使用した場合の象牙質接着性は,メーカーの指示方法で製作されたものに対して明らかに高い接着力を計測した。それらの接合界面には,セメントマトリックス様の数μm電子密度の低い層が観察された。アルゴンエッチングを行い,SEM観察するとこのセメント層は,表層脱灰象牙質およびセメントとは異なる像を示し光重合型レンジでみられるハイブリッド層のように表層脱灰像牙質に侵入した層として観察された。さらに,最表層象牙質をX線マイクロアナライザーでX線回析で元素分析したところ,セメント組成中の元素の侵入が確認された。
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