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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
実験材料は単結晶酸化アルミナインプラント,陽極酸化チタンインプラント,HAPコーティングチタンインプラントの3種類のシリンダータイプインプラント体を用いた.実験動物には健康な成犬を用い,抜歯後3カ月経過したのち,各々のインプラントを埋入した.観察期間は12週とし,観察期間終了後頭頚部の灌流固定を行い,下顎骨から埋入部位を含む部位を採取した.ついで,浸漬固定を加えた後,ギ酸にて室温脱灰を行った.脱灰完了後,近遠心方向に半切し,インプラント体を除去した.標本は通法に従い,パラフィン包埋を行い,H.E.染色(毛細血管の観察)ならびにNFP神経染色(神経線維の観察)を施し,光顕的に観察し,組織学的な検索を行い,以下の結果を得た. 1.各インプラントの周囲に存在する血管と神経線維は,抜歯窩の新生骨梁の間の骨髄腔に存在する脈管系ならびに神経組織から再生した,再支配したものと推測された.再生神経の一部はインプラント体を支持する骨に接しながら終末として分布を示すことから,インプラント周囲の感覚を担っている可能性が示された. 2.再生された血管と神経組織の形態,分布様式や分布密度は材料特性によって差が生じることが示された.この差は骨形成の様式と骨接触率に影響されることが示唆された. 3.各インプラントの周囲にはほぼ同様の神経の分布を認めたが,多くはインプラントを迂回して,末梢側への走行を示していた.インプラントとの界面に存在した線維性組織の介在部や,インプラントを取り巻く支持骨組織の骨髄腔には,遊離性ないし分岐性の神経終末様の構造が僅かに見られた.
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