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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.対象および方法 顎機能異常がない24〜32歳の男性ボランティア7名を対象とした. 1.5T臨床用MRI装置で,5インチの^1H,^<31>Pのダブルチューニング表面コイルを用いて,習慣性咀嚼側咬筋のクレアチンリン酸(Pcr),無機リン(Pi)の定量評価を行った.FID法により,繰り返し時間TR/加算回数NEX=1000/32の測定条件で,下顎の安静と随意性最大噛みしめを繰り返させ,計15スペクトルを計測した.また,同様の指示下で同側の咬筋表面筋電図を記録し,オクル-ザルプレスケールで咬合力,咬合接触面積を計測した.さらに形態的計測項目として超音波スキャナーで咬筋の厚さを,側面頭部X線規格写真上で顎顔面の計測を行い,それぞれの関連性について検討した. 2.結果 安静時のPcrのピークを100%とした場合,2回の噛みしめ時ではそれぞれ,平均で68.10±16.16%,70.35±19.20%と有意に減少していた(p<0.001).逆にPiは128.12±13.89%,129.04±31.16%と有意に増加していた(p<0.001,p<0.01).これは筋収縮におけるATP→ADP+Pi+energy,ADP+Pcr+H^+→ATP+creatineのエネルギー代謝が生じ,結果としてATP合成のためにPcrの減少,ATP分解によるPiの増加が再現性をもって観察された.このピーク変動は噛みしめ約2分後のスペクトルでみると噛みしめ前の値にほぼ回復していた. 機能的計測項目と形態的計測項目の関連性では,下顎下縁平面角と噛みしめ時のPi/Pcrとがρ=0.536,下顎枝長と噛みしめ時のPi/Pcrとがρ=-0.607など下顎骨形態に関する項目と比較的高い順位相関(Spearman)が認められた.しかし今回の対象人数では明確な判断はできないため,今後さらに検討を重ねる予定である.
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