Project/Area Number |
08672393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
網干 博文 日本大学, 歯学部, 講師 (60212560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 登世子 日本大学, 歯学部, 助手 (50120499)
小室 歳信 日本大学, 歯学部, 助教授 (50139200)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 歯科法医学 / 歯痕 / 個人識別 / 画像解析 |
Research Abstract |
ヒトの前腕部を想定し、ウレタンとエポキシ樹脂を主成分とする円筒形のダミ-を作製し、これに咬合器に付着した成人男女20名の歯列模型により歯痕を印記し、距離16および角度12項目の計測値をもとに歯痕の形態的差異について検討した。また、実際の歯痕を想定し、被験者2名がそれぞれ自らの前腕背側面に20回咬みつき実験を行ない、印象採得して歯痕列模型を作製し、マイクロハイスコープを使用して計測可能で歯列模型と対応する点を選択し、皮膚上の歯痕の形態変化を検討した。なお、計測は画像解析装置を用いて行った。 【結果】同一人由来の項目別変化率の平均値は、歯列弓長径方向で大きく(2.3〜9.5%)、幅径方向で小さかった(1.3〜4.4%)。各項目の識別への寄与の程度を判別係数のレンジから求めた結果、犬歯間距離がもっとも大であり、計測を用いて歯痕の異同識別を行う際、犬歯間距離が識別にもっとも有効であることが判った。また、咬みつき実験で作製した歯痕列模型では、被咬試験体上の歯痕と同じ項目を設定することは不可能で、中・側切歯の近心隅角部、犬歯尖頭相当部のみ選択可能であった。計測値の変化率は幅径より長径に関する項目が小さく、なかでも犬歯間距離が最小であった(1.3〜4.8%)。犬歯の歯痕は犯罪現場でも比較的明瞭に残る場合が多いことから、計測により歯痕を同定する場合には、犬歯間距離が識別に充分参考になると思われた。今回使用したマイクロハイスコープは、焦点深度が深く、レンズ系に組み込まれた独自の照明方式(落射角度可変)を有するため、歯痕列模型および皮膚上の微細な凹凸あるいは色調の違いを比較的簡便に映像化できた。 今後は、歯痕の色調変化による歯痕の同定法を確立するために、より高度の解析精度を持つ、直接皮膚上の歯痕を色測できる画像解析装置を入手して研究を進めたい。
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