Project/Area Number |
08672395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中村 康則 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (20095201)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1996: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | アルギン酸ナトリウム / う蝕抑制物質 / S.sobrinus / 歯面菌付着抑制 / ラット / う蝕実験 |
Research Abstract |
ヒジキ水抽出物がもつ歯垢形成抑制作用の有効成分と考えられるアルギン酸について、抗う蝕効果があるか否かを調べる目的で、う蝕誘発性合成飼料を対照として、この飼料または飲料水にアルギン酸ナトリウムを添加したものを各々S.sobrinus 6715株接種ラットに64日間給与するう蝕実験を行った結果、次のような成績を得た。 1.Swab法によりS.sobrinusの歯面付着菌数を経日的に観測した結果、菌接種後2週間目では対照群≒0.25%飲用群≒1%飼料群>2.5%飼料群であり、4週目および7週目では対照群>0.25%飲用群≧1%飼料群≒2.5%飼料群となり、全体としてみると2.5%飼料群が最も少なかった。 2.試験終了時にred-cote染色して観測したプラーク付着量は、頬側面、舌側面、咬合面のいずれの部位も対照群と3つの試験群の間に有意差はみられなかった。 3.Keyes法に従い各試験群臼歯のう蝕スコアーを算出した結果、対照群に対し0.25%飲用群では平滑面(頬・舌側),裂溝部,隣接面のいずれの部位も差はなかったが、1%飼料群では平滑面う蝕が明らかに少なく、2.5%飼料群では平滑面う蝕の他、裂溝う蝕も著明に少なかった。これらの部位別罹患度を総計して臼歯全体としてみると、対照群のう蝕発生に対し0.25%飲用群では5%,1%飼料群では36%,2.5%飼料群では54%のう蝕抑制が認められた。 4.アルギン酸ナトリウムの経口毒性については、本実験の条件下ではラットの一般経過観察、解剖所見、血清生化学的検査結果等に特に異常はみられなかったので、毒性はないものと思われる。 以上の成績から、アルギン酸ナトリウム含有飼料は、う蝕病原菌の歯面付着を抑制して抗う蝕効果を発揮したものと推察され、さらに本物質に毒性がないことを考え合わせると、う蝕予防物質として有用であると思われる。
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