フェロモン受容細胞における細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
08672467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 鋤鼻器 / フェロモン / ホールセルクランプ / cAMP / アデニル酸シクラーゼ / カメ / cAMP依存性チャネル / forskolin |
Research Abstract |
フェロモン受容細胞は神経細胞の一種であり、フェロモン情報を中枢に伝えるためには、電気的信号に変換することが必須であるが、その性質はほとんど不明であった。カメのフェロモン受容細胞が存在する鋤鼻器感覚上皮にアデニル酸シクラーゼの活性化剤であるforskolinを与えたところ、フェロモン受容細胞で神経インパルスの増加が見られたことから、フェロモン受容細胞にアデニル酸シクラーゼとcAMP依存性チャネルが存在することが示唆された。そこで、電気生理学的にcAMP依存性チャネルの存在の確認し、さらにその性質を解析した。カメのフェロモン受容細胞に各種濃度のcAMPを投与したところ、濃度依存的に内向き電流応答が生ずることを見出した(J. Neurosci.,1996)。濃度依存性は、嗅細胞で得られたものと類似していた。この際、膜コンダクタンスは上昇した。内向き電流が生じている時にランプ波を与えることにより逆転電位を調べたところ、カメの嗅細胞の逆転電位に近い値が得られた。以上の結果から、カメのフェロモン受容細胞には嗅細胞と同様のcAMP依存性チャネルが存在することが明らかになった。カメの鋤鼻器感覚上皮から調製した膜標品を用いて、アデニル酸シクラーゼ活性のforskolinおよびGTP依存性を調べた。フェロモン受容細胞におけるアデニル酸シクラーゼ活性は、嗅上皮と同様であった(Biochem. Biophys. Res. Commun.,1996)。さらに、forskolinをフェロモン受容細胞に与えたところ、副嗅球から誘起脳波を測定できたことから、cAMP依存性経路を介した応答が中枢に伝達されることを確認した(Chem. Senses, 1996)。ヘビなどでは、フェロモンがcAMP濃度を変化させることが報告されていることから、爬虫類におけるフェロモン受容はcAMPを介して行われている可能性が考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)