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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
低分子化合物(ハプテン)の微量定量法として競合型イムノアッセイが汎用されているが,原理上,その測定感度には自ずと限界がある.そこで,抗原抗体複合体を特異的に認識する"抗メタタイプ抗体"という新たな概念を導入し,従来不可能とされてきたハプテンのサイドイッチタイプ非競合型イムノアッセイ法の確立を企てた.すなわち,モデルハプテンとして11-デオキシコルチゾール(11-DOC)及びウルソデオキシコール酸7-N-アセチルグルコサミニド(UDCA-7-NAG)をとりあげ,下記の研究を行った. 1.抗11-DOCモノクローナル抗体のアフィニティーラベル.抗メタタイプ抗体を得るためには,目的ハプテンでアフィニティーラベルされた抗ハプテン抗体を免疫に用いることが必要である.そこで,11-DOCの4位に長さの異なるブリッジを介してカルボン酸パラニトロフェニルエステルを導入したラベル試薬2種を合成した.これら試薬は抗11-DOCモノクローナル抗体の抗原結合部位に対して11-DOCと同等の反応性を示した.また,タンパクのアミノ基へのラベル反応をpHの調整により制御し得ることが判明し,選択的なアフィニティーラベルの可能なことが示された. 2.抗UDCA-7-NAG特異モノクローナル抗体の調製.抗メタタイプ抗体の調製に必要となる抗UDCA-7-NAGモノクローナル抗体を新規に調製した.すなわち,本ハプテンのウシ血清アルブミン結合体で免疫したA/Jマウスの脾細胞のP3/NS1/1-Ag4-1ミエローマ細胞と融合させて,目的抗体産生ハイブリドーマ株13種を樹立した.得られたモノクローナル抗体のうち,Ab-8-18は遊離型,グリシン及びタウリン抱合型UDCA-7-NAGに群特異的で,ELISAにおいていずれにも極めて高感度な検量線を与えた.さらに7位非抱合型肝汁酸との交差反応性はほとんど認められず,原発性肝汁性肝硬変症の診断に極めて有用と期待された.
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