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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
3種のサブタイプよりなるα_2-アドレナリン受容体(α_<2A>,α_<2B>,α_<2C>)のうち,受容体刺激により脱感作される2種のサブタイプ(α_<2A>,α_<2B>)に対するプロテインキナーゼCの作用を検討した.受容体を発現させたCHO細胞をアゴニストで刺激すると,低濃度域でのcAMP生成の抑制に続いて,高濃度域でのcAMP生成の促進という二相性の応答を示した.α_2受容体は発現しているレベルが高くなると,GiとのカップリングのみならずGsともカップルするようになることから,それぞれGiおよびGsとカップルしているものと推測した.百日咳毒素を作用によりGiの機能を消失させた細胞で,α_2受容体とGsとのカップリングに対するPMAの効果を調べると,2種のα_2受容体を介した応答はPMAを作用させても何ら変化しなかった.これに対し,コレラ毒素を作用させGsを活性化型にさせ,受容体とGsとのカップリングを生じなくさせた場合,PMAを作用させるとα_<2B>のみならずα_<2A>受容体を介した応答も消失した.コレラ毒素を作用させない場合,α_<2A>受容体による応答はPMA処理により何ら影響されないことから,コレラ毒素処理により何らかのタンパク質が誘導されたと推測できた.事実,タンパク質合成の阻害剤シクロヘキシミドを加えるとコレラ毒素の作用は消失した.またcAMP依存性プロテインキナーゼの阻害剤H-89によりコレラ毒素作用は消失した.したがって,コレラ毒素処理により細胞内cAMP量が上昇し,何らかのタンパク質が誘導され,プロテインキナーゼCによりリン酸化されてGiと受容体のカップリングを阻害したものと結論した.
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