Project/Area Number |
08672530
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
川島 紘一郎 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (70095008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 和子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (50229043)
藤井 健志 共立薬科大学, 薬学部, 講師 (80255380)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | acetylcholine / lithium / T-lymphocyte / hippocampus / serotonergic nerve system / microdialysis / rat / cholinergic nerve system |
Research Abstract |
本研究では、抗躁病薬炭酸リチウム(Li)を慢性投与したラットの海馬に、セロトニン(5-HT)1A受容対作用薬8-OH-DPAT(30μM)を海馬へ局所投与し、acetylcholine(ACh)遊離の変化を脳内微小透析法とラジオイムノアッセイ法を用いて検討した。雄性、8週令のWistar系ラットに0.2%Li含有飼料を3週間与え、慢性投与群とした。対照群には通常飼料を与えた。 1)コリンエステレース阻害剤非存在下(生理的条件下)における検討 海馬からの基礎ACh遊離量は、対照群および慢性投与群とも約70fmol/30minであり、両群に差は認められなかった。 海馬へ局所投与した8-OH-DPATは、対照群の海馬におけるACh遊離に影響を及ぼさなかった。しかし、慢性投与群で8-OH-DPATは、海馬におけるACh遊離量を有意に増大させた。 2)コリンエステレース阻害剤存在下(非生理的条件下)における検討 海馬からの基礎ACh遊離量は、対照群および慢性投与群でそれぞれ、約600および1900fmol/15minであった。 海馬へ局所投与した8-OH-DPATは、対照群および慢性投与群でACh遊離を有意に増大させた。ACh遊離増大作用は慢性投与群でより著明であった。 3)慢性投与したLiの海馬における5-HT作動性神経活性に及ぼす作用の検討 海馬5-HT含量は、対照群と比較して慢性投与群で有意に増大した。代謝物5-HIAAは代謝群と比較して慢性投与群で減少傾向が観察されたが、有意ではなかった。すなわち、慢性Li投与は内因性5-HTの代謝回転の抑制を起こすことが示唆された。 これらの結果は、慢性リチウムチ投与は、1)セロトニン神経系を介するコリン作動性神経活性の促進作用を増大させること、2)コリンエステレース存在下では直接海馬におけるコリン作動性神経を活性化させることが明らかとなった。Liの抗躁病作用には、海馬におけるコリン作動性神経賦活作用、特にセロトニン1A受容体を介するコリン作動性神経の調節機構に対する促進効果が関与している可能性が、今回初めて明らかとなった。
|