増殖制御因子による血管内皮細胞プロテオグリカン分子種の産生調節
Project/Area Number |
08672540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
鍛冶 利幸 北陸大学, 薬学部, 講師 (90204388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 三和子 北陸大学, 薬学部, 実験助手 (30278139)
藤原 泰之 北陸大学, 薬学部, 助手 (40247482)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / プロテオグリカン / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / TGFβ / パールカン / ビグリカン / 増殖 / 血管 |
Research Abstract |
培養ウシ大動脈血管内皮細胞を用い,増殖制御因子によるプロテオグリカン分子種の産生調節を検討し,以下の新知見を得た。検討した血管内皮増殖因子(VEGF),塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)および形質転換増殖因子β(TGFβ)のうち,VEGFによる調節は認められなかったので,以下にbFGFおよびTGFβに関する新知見を概説する。 1.bFGFによる内皮細胞プロテオグリカンの産生調節 bPGFが単層を維持した内皮細胞に作用し,細胞層のヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPGs)に結合したグリコサミノグリカン(ヘパラン硫酸糖鎖)量を増加させるが,その硫酸化には影響を及ぼさないことが示された。このヘパラン硫酸量の増加は,コア蛋白の合成誘導によるHSPG分子数の増加および糖鎖の伸長に起因せず,基底膜型大型分子種パールカンのコア蛋白あたりの糖鎖数の増加によることが明らかとなった。またの機序として,bFGFがアラキドン酸のリポキシナーゼ代謝物に介在されるコア蛋白のキシロシル化に関与する蛋白の合成を促進する結果,コア蛋白へのキシロースの付加を促進することも明らかにした。増殖期の内皮細胞においても,同様の結果が得られたが,静止期とは異なり,ヘパラン硫酸の硫酸化も促進された。 2.TGFβによる内皮細胞プロテオグリカンの産生調節 TGFβによる内皮細胞プロテオグリカンの調節については,静止期と増殖期の間に違いは認められなかった。TGFβは,細胞層のHSPGsおよび液相のコンドロイチン/デルマタン硫酸プロテオグリカン(CS/DS-PGs)に結合したグリコサミノグリカン量を増加させることが示された。このとき,HSPG分子種パールカンおよびCS/DS-PG分子種ビグリカンのコア蛋白の産生増加が認められた。しかしながら,HSPGsについては,ヘパラン硫酸糖鎖の伸長は起こらなかったのに対し,CS/DS-PGsについては,糖鎖の顕著な伸長が認められた。 以上から,内皮細胞がその増殖を制御する因子に対して異なる様式で応答し,しかもプロテオグリカン分子種が独自の調節を受けることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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