血管平滑筋細胞の分化・増殖に対するプロテアソームの制御機構について
Project/Area Number |
08672543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
高岡 昌徳 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (50140231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 靖夫 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (40140230)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | プロテアソーム / 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
プロテアソームは、分子内に数種の触媒活性を有する細胞内多機能プロテアーゼ複合体である。最近、本酵素が細胞の分化や増殖に関連した短寿命タンパク質を分解することが相次いで報告され、細胞の分化・増殖に重要な役割を果たす分子として注目されている。本研究では、初代培養ラット血管平滑筋細胞の収縮型から合成型への形質転換ならびに増殖におけるプロテアソームの役割について検討した。酵素分散法により単離した血管平滑筋細胞をウシ胎仔血清を用いて培養すると細胞の増殖に伴い、収縮型血管平滑筋細胞に豊富に存在する平滑筋型αアクチンが顕著に減少し、形質転換が確認された。同時に、プロテアソーム含量及び比活性値は有意に増加した。次いで、プロテアソーム阻害薬であるcarbobenzoxy-L-isoleucyl-γ-t-butyl-L-glutamyl-L-alany1-L-leucinal(PSI)存在下で培養すると形質転換、増殖ともに抑制され、増殖抑制は細胞周期のG0/G1期およびG2/M期からの進行阻害によることが明らかとなった。血清飢餓培養により静止期に同調した血管平滑筋細胞を血小板由来増殖因子(PDGF)で刺激すると形質転換が起こったが、これはPSIをPDGF刺激の1時間前に添加しておくことにより抑制された。しかし、PDGF刺激3時間後にPSIを添加しても抑制はみられなかった。 以上、初代培養ラット血管平滑筋細胞では形質転換に伴いユビキチン・プロテアソーム依存性タンパク質分解システムが亢進し、細胞周期関連タンパク質の分解を介してG0/G1期ならびにG2/M期からの進行を制御している可能性がある。また、プロテアソームは増殖刺激後の比較的短時間に起こる形質転換の決定にも、重要な制御調節因子として機能していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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