Project/Area Number |
08672555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
辻本 豪三 国立小児病院, 小児医療研究センター・小児薬理研究部, 部長 (80172013)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | Green Fluorecent Protein / α1bアドレナリン受容体 / マウスαT3細胞 / Cキナーゼ |
Research Abstract |
【目的】薬物受容体の薬物感受性の変化を起こす要因として、受容体の細胞内局在の変化が示唆されている。近年、発光クラゲより強い蛍光を有するGreen Fluorecent Protein(以下GFP)が単離クローニングされた。このGFPは、他の標的蛋白との融合が容易に行え、いろいろな生物学の分野で用いられ、特に機能蛋白の細胞内局在・移動に関して知見が得られ始めている。今年度、交感神経α1受容体をモデルに、GFP融合受容体を作製・発現させた細胞での薬物刺激による受容体局在の変化に及ぼす情報伝達機構の検討を行った。 【研究方法】α1b受容体C端にGFP遺伝子を融合させたキメラ受容体を作製した。このキメラ受容体遺伝子をα1受容体を発現していないマウスαT3細胞に発現させ、得られた安定発現細胞集団を実験対象に用いた。レーザー共焦点顕微鏡を用い、薬物投与における局在の変化とカルシウムの変化の同時記録を行った。 【結果】細胞表面に一致して強い蛍光シグナルが観察され、α1b受容体は定常状態では細胞膜表面にその大多数が局在していると考えられた。一方、ノルアドレナリン刺激により受容体蛋白の細胞内移行が認められ、が30〜40%の受容体が細胞内へ移行した。α1bアドレナリン受容体internalizationを各種薬物ツール(TPA、タプシガ-ジン、PLC阻害剤等)にて薬理学的解析を行い、Cキナーゼが重要な役割を担っていることが示唆された。 【考察並びに結論】これまで不明であった細胞内局在による機能調節を調べる上で、特異抗体の作製・機能蛋白の細胞内局在の変化をリアルタイムでモニターすることは困難であった。しかし、今回試みたGFP融合による機能蛋白の標識技術を利用することにより生細胞での機能蛋白の局在・移動をリアルタイムで記録することが可能となった。今後このGFP融合による機能蛋白の標識技術を応用し、薬剤感受性の変化などにおける受容体蛋白の細胞内局在の影響などを検討する予定である。
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